あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 「ヘーゼルバーン」

barvirgo2006-10-26

先日「あるじの店」で入荷したシングルモルトウイスキーの名前です。
スコットランドの西側、キンタイヤ半島の先端近くにあるキャンベルタウンの「スプリングバンク蒸留所」で現在は造られています。
で、「現在は」と書いたのには理由があります。
と言うのも、「ヘーゼルバーン」というのは今は無くなってしまったのですが、以前はキャンベルタウンの街に実在した蒸留所で(1930年頃まで)、日本のウイスキーの生みの親とも言うべき竹鶴政孝氏が、1920年に実習された蒸留所だったことで、ウイスキー業界では有名な名前なのです。
だって、もし竹鶴氏が、この蒸留所で実習する事がなかったら、もしかすると日本のウイスキー事情は違っていたかもしれないんですからね。
で、そんな日本のウイスキーとも縁のある名前のついたシングルモルトウイスキーが、同じキャンベルタウンにある「スプリングバンク蒸留所」によって造られると何年か前に聞いて、あるじはずっと楽しみに待っていたのです。
そして去年はキャンベルタウンに行って、泊まったホテルのBARで飲む事は出来たのですが、街の有名な酒屋「EAGLESOME(イーグルサム)」にも売ってなく、日本に帰ってきてから、日本にも少し入ってきていると聞いたのですが手に入れられず、今回やっと「あるじの店」に入荷する事が出来たのです。
また、本当は「ヘーゼルバーン蒸留所」が再建され、そこでウイスキー造りがなされるのが一番なのでしょうが、それは難しいでしょうし「スプリングバンク蒸留所」でいつまでも造ってもらい、日本のウイスキーと深い繋がりのあるこのブランド名をいつまでも残してもって、自分達はこれをちょっと飲みながら、ウイスキーの歴史でも語れたら嬉しいな、とあるじは思いました。