あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 「オリジナルビール」の造り方

昨日もそうですし、過去にも何回か「オリジナルビール」を造りましたと書いてはいたのですが、どんな風に造ったのか書いていなかったので、今日はどうやって造るのかを書きます。
まず「オリジナルビール」を造るには、ハンズなどで売っているキッドで造るのもいいのでしょうが、やはりちゃんとしたビールを造りたいので、「オリジナルビール」を造らせてくれるこちらに行くのですが、皆さんも簡単に造れますから、是非造りに行く事をお勧めします。
で、まずこちらの木内酒造にホームページから予約を入れます。
結構人気があるので、ある程度前もって予約しておかないと、造りたい時に造れないので、早めの予約をお勧めします。
で、木内酒造に行ったらまず打ち合わせです。
ここでどんなビールが造りたいのか、向こうのスタッフと話し決めていきます。
あるじは6回目なので、以前に造ったビールをベースに毎回少し変えていくのですが、今回は以前より一層ホップを効かせ、苦くてアルコールも高め(8%)になる様なレシピにしてもらいました。
そして、レシピが決まるとそれに合わせ何種類かの麦芽を計量するのです。

今回「あるじの店オリジナルビール」では、「ペール」「ミューニック」「クリスタル」「チョコ」の4種類の麦芽を使いました。
次に計量した麦芽をミルで破砕します。

破砕し終わったら煮沸釜に麦芽を投入します。
そして、釜の中で麦芽がダマにならないようによく攪拌します。

さらに煮沸釜の下にあるドレンより麦汁を出し、ジョッキで受けて煮沸釜に戻す作業を5回します。


ここまでしたら10分ほど休憩、煮沸釜を保温します。
で、10分経ったら今度は加熱し、釜の温度を65度まで上げます。
65度以上にすると糖化する酵素が死んでしまうのだそうです。
また、ここでも釜の中の温度にバラつきが出ないように、よく攪拌し麦汁も循環させます。

そして65度近くなったら、予熱で65度ぐらいになるそうなので、そこで蓋をし40分間保温します。
またこの40分の間にも温度を均一化するため2回ほど、煮沸釜の下にあるドレンより麦汁を出し、ジョッキで受けて煮沸釜に戻す作業を5回します。
それと、後で投入するホップの計量もしておきます。
今回は「チヌーク」と「ストリアンゴールディング」の2種類を使いました。

そして40分経ったら、ヨウ素テストというのをして、糖化が完了しているか確認します。
で、糖化出来ていたら今度は釜の温度を76度以上に上げ、10分ほど麦汁をゆっくり循環させ、麦汁をクリアーにしていきます。

そして10分経ったら、今度は麦汁を隣りの煮沸釜に移します。
で、その時スパージといって、最初の釜の入っている麦芽にお湯をかけ、麦芽を酸化させないで糖分を抽出します。

そして麦汁を規定量、隣りの煮沸釜に移したら、麦汁の入った釜の温度を100度まで上げます。
そして温度を上げている間に、最初の釜に残っている麦芽粕を取り出します。

そして麦汁の入った釜が沸騰したら、1回目のホップを入れます。
で、沸騰状況をキープし20分待ちます。

20分経ったら2回目のホップを入れます。

そして5分経てば煮沸終了です。
造るビールによっては3回ホップを投入する場合もあります。
で最後に、スタッフの方が冷却装置を使ってビールを造る分の麦汁を冷却して取り出し、作業は終了です。

後はビールのラベルをどうするか?またスタッフの方と打ち合わせします。
因みに「あるじの店オリジナルビール」は去年とほぼ同じデザインにしたので、打ち合わせはアッという間に終わりました。
まぁ、こうしてビールを造るのですが、醗酵・熟成には多少時間がかかるので、後は木内酒造に任せ、早ければ3週間、自分達のようにアルコール度数高めの場合は1ヶ月待つとボトリングされたビールが送られてきます。
但し、酒税法の関係があるらしくラベルは貼ってないので、届いてから自分で張るようになります。
以上「オリジナルビール」の造り方でしたが、どうです?皆さんも造ってみたくなったんじゃありません?
何と言っても、自分で造ったビールはホント美味しいですからね!