あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 アイリッシュウイスキー

barvirgo2008-03-24

先週の土曜日、「あるじの店」ではアイリッシュウイスキーテイスティング会を行いました。
で、最近少しは人気も出始めたようですが、まだまだ皆さんに知られていないアイリッシュウイスキーについて簡単に 説明したいと思います。
アイリッシュウイスキーは、その名の通りアイルランドで造られているウイスキーです。
但し、ここでいうアイルランドは、アイルランド島の事で、アイルランド共和国だけでなく英国領北アイルランド自治区も含みます。
なのでアイルランド島内で造られていれば、どちらの国で造られてもアイリッシュウイスキーになります。
そして、アイリッシュウイスキーの起源は古く、12世紀にイングランド軍がアイルランドに遠征した際、ウイスキーの前身とみられる蒸留酒があった事を文献に残しているそうです。
そんな昔から造られていたアイリッシュウイスキー、17〜8世紀は人気も高く、 たくさんの蒸留所があったようなのですが、大英帝国から独立(1922年)した為、大英帝国の商圏から締め出されたり、アメリカの禁酒法で最大の市場を失ったりするなどして、だんだんと世界の市場から消えていき、少ない時では北のブッシュミルズ蒸留所と南のミドルトン蒸留所の2蒸留所だけになった事もありました。
ただ、その後1987年にクーリー蒸留所が出来、昨年はキルベガン蒸留所も蒸留を再開したので、現在は4蒸留所が稼動しています。
そしてアイリッシュウイスキーの特徴としては、大麦を主体にライ麦、小麦、カラス麦などを補助材料とし、ピート香をつけていないモルト(大麦麦芽)を加えて糖化、発酵の後、単式蒸溜機で3回蒸溜して造られた物(ピュアポットスチルウイスキー)が主流だったのですが、モルト100%のブッシュミルズや、クーリー蒸留所が出来て以降はピートを焚いた2回蒸留の物なども造られるようになって来ました。
なので現在造られているアイリッシュウイスキーとしては、昔ながらのピュアポットスチルウイスキーと、シングルモルトウイスキー(ノンピート&ピート)、それらに グレーンウイスキーを混ぜたブレンデッドウイスキーが造られています。
なのでアイリッシュウイスキーは、色んな原酒に、色んなパターンの組み合わせで出来るブレンデッドと、今後はもっと色んな味わいの商品が出て、とても楽しめるウイスキーなるのではないかと、あるじは思っています。