BAR Virgoからのお知らせ!

赤坂の小さなウイスキーバー、BAR Virgoのお勧めウイスキーやイベント情報など…

 先日の「ジンセミナー」で

聞いてきた話、などなど「GIN」について久しぶりに書いてみたいと思います。
ジンのセミナーには、今週月曜日に行って来たのですが、なかなか書く時間が 無く今日になってしまいました。
今回はジャパンインポートシステムが主催で、イギリス・ロンドンからヘイマンディスティラリー社の社長、クリストファー・ヘイマン氏が来日してのセミナーでした。
なので、勿論ジンについての話ではありましたが、やはりメインはヘイマン社の ジンについてという感じでした。
ただ、それでも簡単にジンの歴史も話してはくれましたけれどね。
で、まず簡単にジンの歴史ですが、ジンは17世紀中頃(1660年頃)、オランダ・ライデン大学の医学部教授、シルビウス氏により植民地である東インド地域で 働くオランダ人を熱帯性熱病から守るために開発されました。
なので、勿論当初は薬局で薬としてオランダ国内でも販売されていたのですが、酒飲みの間で爽やかな味の酒だと評判になり、「ジュネバ」と呼ばれて流行したようです。
そして、1689年にオランダ王家のウイリアム3世が、イギリスの国王になる為 ロンドン入りした際に、この「ジュネバ」も持ち込んだようです。
そして18世紀になり市民の間でも飲まれるようになった訳ですが、それまでロンドン市民の間でよく飲まれていたワイン・ブランデーの税金をウイリアム3世が  上げ、後のジェームズ1世はビールの税金まで上げたので市民はジン(ジュネバが縮まる)を飲むしかなかったそうです。
その後アン女王の時代にジンの専売制が無くなり、誰でもジンを造れるようになった為ジンの価格も安くなり多くの人に飲まれるようになったそうです。
そして、この時代はまだ蒸留技術が今ほど発達していなかった為、味は決して 良いとはいえなかったらしく、飲みやすくする工夫として砂糖を加えた「オールド トムジン」が主流だったそうです。
因みに何で「オールドトムジン」というのかというと、当時世界初の自動販売機がロンドンに出来、それでジンを販売していたそうなのですが、その自動販売機が黒猫の形になっていて、猫の口にお金を入れると足の所からジンが出てくるようになっていたらしく、黒猫の事をトムキャットとかオールドトムと言っていたので、 その自動販売機から当時のジンが「オールドトムジン」と呼ばれるようになった そうです。
そして19世紀になり、連続式蒸留器が開発され、砂糖を加えて味をごまかさなくてもよくなり、イギリスのジンは洗練された現在に至る「ドライジン」へと変わっていったそうです。
で、ヘイマン社のクリストファー・ヘイマン氏は19世紀初頭に「ビーフィータージン」を考案したジェームス・バロー氏のひ孫に当たり、1969年ビーフィーター社に  入社、約20年働いていたそうですが、ビーフィーター社が他社の傘下に入った為独立し、ヘイマン社を立ち上げたそうです。
そして曽祖父の頃からの伝統的なレシピを元に、「オールドドムジン」を再現したそうです。
と、ここまででだいぶ長くなってしまいましたが、一応ジンがどうやって造られるのかも説明してくれました。
と言っても、これもロンドンで造られる「ドライジン」の造り方なので、オランダやドイツのジンとは若干違います。
特に今回はヘイマン社の造り方で説明すると、ベースになるグレーン(ニュートラル)スピリッツがあるのですが、これは自社で造らず他所から買ってくるそうですが、3社か4社のグレーンスピリッツを取り寄せ、一番雑味の無いものを選び使っているそうです。
そしてそこにボタニカル(ハーブやスパイス)を浸漬させるのですが、ジュネパーベリー(杜松の実)やコリアンダー、アンジェリカ、リコリスオレンジピール等7〜12種類使うそうですが、何を使うのか、その割合はどうなっているのかは秘密で、これはどこの会社も同じだそうです。
まっ、ジュネパーベリーだけは絶対に使うんですけどね。
そして、このボタニカルも毎年30種類位取り寄せ、それぞれを少量ずつ使い造ってみて、どれを使うか決めているそうです。
で、グレーンスピリッツにボタニカルを約24時間浸漬させてから蒸留し、ウイスキーのようにフォアショットとフェインツを取り除いたミドルカット(ヘイマン氏はミドルランと言っていました)だけをボトリングにまわすそうです。
このミドルカットはスティルマン(蒸留責任者)が決めているそうです。
因みにこのミドルカットは約75〜80%だそうです。
それと、フォアショットとフェインツは売却してしまうそうです。
またボトリングの前には必ずノージングとテイスティングをし、味わいの確認をするそうです。
で、最後に加水、及び「オールドトムジン」であれば加糖(約2%)してボトリング されるそうです。
以上長くなりましたが、先日のジンセミナーで聞いてきた内容となります。
最後まで読まれた方はエライ。ってか!