あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 Rhum J.M

barvirgo2010-03-16

さて、昨日セミナーを受けに行くと書きましたが、今日はその内容について簡単に書いてみたいと思います。
昨日受けたのは、「Rhum  J.M」というカリブ海に浮かぶマルティニーク島という島で 造られているラムのセミナーでした。
この「Rhum J.M」を生産している蒸留所は島の最北端に位置し、島内の他の 蒸留所と違いジャングルの中に在るそうです。
また生産量も他の蒸留所に比べると少なく、年間で約30万リットルだそうです。
創業は1845年で、アグリコール・ラム*1を生産する蒸留所としては、最古の1つだそうです。
生産はほぼ手作業で、7〜10名のスタッフで行っているのだそうです。
また、島内で唯一自社畑のサトウキビだけを使って生産しているのだそうです。
なので、収穫から1時間以内には蒸留所に運び入れ、サトウキビをよりフレッシュな状態で搾る事が出来るそうです。
それと、サトウキビというのは何と世界で約3,000種類ぐらいあるそうで、その中でもAOC(アペラシオン・オリジン・コントローレ)で使用する事が認められている ものは12種類で、またその中からJ.Mでは3種類*2を厳選し栽培・使用しているそうです。
後、製造工程で強調していたのは、100%銅製の蒸留塔を2基所有しているということで、100%銅製の蒸留塔を使っているのはこの蒸留所だけで、しかも2基 使用しているのもここだけだそうです。
あと水ですね!水も他の蒸留所と違い、自然の湧き水を100%使用しているそうです。
そして全生産量の1/3を熟成ラムにするそうですが、熟成にはバーボン樽*3を 使用しているそうです。
また樽の内部はラムを使って必ずリチャー(焼く)するそうです。
それと、この島では毎年8〜10%が樽の中から減ってしまう(エンジェルシェア)ので、1年毎に同じ日に蒸留した原酒の入っている樽を1度空け、詰め直すそうです。
そうする事によって原酒の蒸発を少しでも減らすようにしているのだそうです。
で、こうして熟成した原酒はだいたい10年〜15年でボトリングされるそうなんですが、必ずボトルの裏ラベルに蒸留した日付とボトリングした日付を刻印するのだそうです。
これはヴィンテージ毎に味わいが違っても、それ自体が味わいなんだといっているようで良いですね。
あと聞いたのは、ホワイトラムはアルコール度数を調整(加水)して造るが、その為には約3ヶ月掛けるというので質問したのですが、これは蒸留されたばかりの原酒を大きなステンレスのタンクに入れ、その内側に水が通っているチューブを 廻らして、そのチューブから少しずつ水が出るようにしてゆっくり加水をしているのだそうです。
そうすると、ラムの風味が損なわれずアルコール度数も下げれるそうです。
まっ、この他にも幾つかお話しは聞いているのですが、また長くなってしまったので、今日はここまでと致します。
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*1:サトウキビを搾って取ったジュースをそのまま使って造るラム

*2:一番多い全体の約60%はブルーケインという種類で、後の2種はサトウキビの名前というよりは番号なのでよく分からないそうです。

*3:島にバーボン樽を仕入れる業者がいるそうで、その業者から買うので何処のバーボン樽とかはこだわっていないそうです。