あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 キルベガン蒸留所(Old Kilbeggan Distillery)

昨日アイリッシュウイスキーについて書きましたが、その中で現在ウイスキーを 生産している蒸留所は4蒸留所のみと書きました。
で、今日はその中の1つ、キルベガン蒸留所について書きます。
というのも、キルベガン蒸留所は、アイルランドでは最も古く、そして最も新しい 蒸留所だからです。
たぶん現存する蒸留所としては世界最古といえる蒸留所だと思われます。    (ウイスキーの蒸留所としては間違いなく一番古いですね!)
蒸留所の創業は1757年、マシュー・マクマナス(Mathew MacManus)という人がライセンスを得て始めたそうです。
但し、その前から密造はしていたそうなんですけどね・・・
そして当時の蒸留所名はブルスナ(Brusna)だったようです。
そして1843年に、ジョン・ロック(John Locke)氏が同蒸留所を買収し、その後はロックス蒸留所といっていたそうです。
なんとライセンスを取ってから254年ですよ!しかも現在も稼動しているのです。確かに18世紀に創業し現在も稼動している蒸留所がスコットランドにもありますが、それでもグレンタレットの1775年ですからね。
とはいえ先にも書きましたが、最古の蒸留所でもありながら最も新しい蒸留所でもあるのです。
そう!というのも、実は1958年に一度閉鎖していたのです。
しかし、1980年代の前半に地域の町興しとして蒸留所をビジターアトラクション(博物館)として残すよう改修をしていたので、建物などその後も残す事が出来ていたのです。
で、1987年に現在のオーナーであるクーリー蒸留所が所有権を得て、当初は クーリーで生産したウイスキーの熟成に使っていましたが、タラモアデュー蒸留所で使っていた古いスティルを得た事もあり、2007年、250年ぶりにウイスキーの生産を復活させたのです。
という事でキルベガン蒸留所としては2007年の創業、アイルランドで最も新しい蒸留所になった訳です。
但し、現在はスティルが1基しかないので、初溜はクーリー蒸留所で行い、再溜のみ行っています。
だけど、何時かは大きなポットスティルを3基導入し、初溜から出来るようにしていくそうです。
どうです?こんな蒸留所、なんかこんな蒸留所が造ったウイスキーを飲んでみたいと思いません?
あるじは早く、キルベガンで蒸留したウイスキーが世に出て、飲める日が来るのが楽しみで仕方ありません。
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