あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 グレンゴイン、アラン、スプリングバンク、そしてアイラ −2−

barvirgo2012-05-08

2012年4月28日(土)、日本を出たその日に時差の関係もあり、グレンゴイン蒸留所を見学しました。
あるじは今回お客様と一緒にスコットランドに行ったので、人数も多く(10名)蒸留所からバスで迎えに来て貰う事も出来、グラスゴーに到着して直ぐ見学出来たのですが、もし皆さんがスコットランドに何人かで訪れる場合、グレンゴイン蒸留所では6名から16名までであればグラスゴーのホテルから送迎してくれるそうなので、メール等で連絡を取り送迎して貰うのもありだと思います。
まっ!そうは言っても、なかなか6名以上で行く事も無いし、送迎して貰えないなら行くのはやめよう!なんてふうには思わないで下さいね。
何しろグレンゴイン蒸留所は良い蒸留所ですからね!
それにあるじ達は確かに送迎して貰いましたが、送迎がなくてもグラスゴーからそれほど遠くなくグラスゴーの中心にあるブキャナンバスステーションから路線バスでも1時間掛からずに行くことが出来ます。
また見学ツアーも充実していて、7ポンドのポピュラーな見学ツアーからそれこそ通常見せないエリアを見せてくれたり自分でブレンデッドウイスキーを作れたりする5時間がかりのツアー(125ポンド)等、7種類のツアーが用意されています。
まっ、もちろん予約しないと出来ないツアーもありますが、本当に充実していますし、ツアー料金には蒸留所でウイスキーを買えば5ポンド割引になるバウチャーも含まれているので、決して高いツアーじゃないと思います。
また見学の際に、先ずはビデオを見せられるのですが、このビデオには数ヶ国語の字幕が用意されていて、日本語字幕もあるので、英語が分からなくてもある程度蒸留所のことが分かり、英語が苦手という方が見学に訪れるにも良い蒸留所だと思います。
てな訳で、あるじ達も蒸留所に到着すると、まずウェルカム「グレンゴイン10年」を飲みながらビデオを見せてもらい、その後蒸留所内を見学させてもらいました。
ただ1つ残念な事は、蒸留所の建屋内の写真撮影が禁止されている為、外から撮った写真しか皆さんに紹介出来ないって点ですね。
そんな訳で写真は少ないのですが、スティルハウスは外から撮れるので、ポットスティルは当然写しました。
で、ご覧頂くと分かるとおりグレンゴインのポットスティルは3基あります。1基が初溜で、再溜が2基です。
これはどうしてなのか説明してくれたのですが、ポットスティルが銅で出来ていることに関係しているらしく、銅と原酒が触れている部分が多い方がフルーティーになるとグレンゴインでは考えているそうで、再溜が1基より2基の方がより多く銅に触れる為に2基にしているそうです。
なので、蒸留したミドルカット(ニューメークスピリッツ)を集めるスピリットレシーバーに繋がるパイプも銅製にしているそうです。
後プロダクトに関してはオーソドックスで、マッシングは3回、ウォッシュバック(醗酵槽)はオレゴンパイン製、醗酵でえられるビアのアルコール度数は8%、初溜で25%、再溜は74%、カスクフィリング(樽詰め)は63.5%だそうです。
そして・・・、あるじが蒸留所に行く前から気になっていたのが、グレンゴインはハイランドモルトに分類されているのですが、蒸留所の在る場所がぎりぎりハイランドとローランドの境(ハイランドライン)上にあると聞いていたので、それがどこなのか聞いたところ、蒸留所と貯蔵庫の間に道があるのですが、その道がハイランドラインで、蒸留所はハイランド、貯蔵庫はローランドになるそうです。
またなぜこの場所に在るのかも説明してくれたのですが、蒸留所が出来た頃は税金が地域によって違いイングランドから近いローランド地方の方が税金が取りやすいからと高く、ハイランドはイングランドから遠く税金を取るのも大変だからと安かったので、グレンゴインも高い税金を払いたくなくハイランドに蒸留所を建てたのだそうです。
で、まだまだここでは書き切れない話も沢山あるのですが、長くなってしまうのでグレンゴインに関してはここまでとします。
後は皆さん、本当に素晴らしい蒸留所なので、スコットランドに行かれる際は是非訪れ、自身の目で耳で咽喉で堪能して下さい。
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