あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 聖なる煙

barvirgo2012-12-20

ウイスキーマガジンジャパンの昨日の記事に、「聖なる煙」という興味引かれる記事がアップされていました。
ピートに由来するフレーバーについての話です。
スコットランドアイラ島に住まれるマルティーヌ・ヌエ女史の取材レポートコラムなのですが、同じ様にピートを焚いたモルトを使ってウイスキーを造っても香りが違うのは何故なのか?また蒸留所とモルトスター(製麦工場)でフレーバーに違いはあるのか?などを取材をもとに書いてくれています。
記事では、ポートエレンのモルトスターとラフロイグ蒸留所のピートの使い方など書かれていますが、この同じアイラ島内のピートを焚いてモルトにフレーバーをつけている2ヶ所でさえ、方法考え方が違うのだからウイスキーって面白いなと思うんですよね〜・・・
各蒸留所、またモルトスターにしてもピートについて色々と実験・研究もしていると思うのですが、それでもピートに由来するフレーバーについての考え方が違ってくるのですから興味も尽きませんよね。
因みに記事内でもラフロイグはアイラのピートには海藻が含まれると言っているが、ポートエレンは含まれないと言ってるし、ピートのカット方法でも手掘りと機械で掘った物では煙の出方に違いがあるとか無いとか・・・
ホント!面白いです。
実際この記事ではピートだけではモルトを乾燥出来ないと書いていますが、他で話を聞けばピートだけで乾燥させるという所もあるし、当然ピートそのものについてもアイラ島、メインランド、オークニー等々ピートを掘る場所によって、それぞれの場所でピート由来のフレーバーは違うと説明を受ける事もあります。
実際よくバーに行くとこのウイスキーはピーティー(ピート由来の香り)で、なんて説明を受けるし、自分も使う事があるのですが、実はピーティーって香りは単純なものじゃないのですし、アイラ島モルトウイスキーがピートを焚いたモルトを使ったものが多く、その独特の香りからアイラモルトから嗅ぎ取れる香りがピーティーと思われがちなのですが、勿論それも間違いではないのでしょうが、実はその他にもピーティーウイスキーはあり、うちの店でもこれはピートを焚いて造ったウイスキーでピーティーなんですよ、と提供しても、どこがピーティーなの?と返される事があるぐらい実はピーティーっていうピート由来の香りを多くの方は理解していないんですよね。
そんな不思議で独特なピートの香り、知れば知るほど、飲めば飲むほど惹かれること請け合いです。
そして是非アイラモルト以外のピーティーウイスキーを飲み、ピートに由来する香りを楽しんでみてください。
味や香りの違い不思議さで、きっとウイスキーに嵌まっちゃいますよ〜・・・
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