あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

メーカーズマークのセミナー 

barvirgo2013-05-17

昨日メーカーズマークのセミナーで聞いた話を簡単に書いて紹介しようと思ったのですが、簡単に書いてるつもりでも長くなってしまったので、蒸溜のところまでとさせて頂きました。
そんな訳で今日はその続きです。
メーカーズマークでは2回の蒸留で65%のアルコール度数にした原酒(ホワイトドッグ)を得るのですが、樽詰めする時には加水してアルコール度数を55%に下げているそうです。
これはアルコール度数が低い方が樽の成分が出すぎず、良い熟成をすると考えているからだそうです。
そして、メーカーズマークの仕込み水はバーボン造りに適しているライムストーンウォーターなのですが、ミネラル分が多いので、加水用に使う際はライムストーンウォーターも蒸溜し、ミネラル分を減らしてから使っているそうです。
また使う樽にも拘りがあり、樽を造る前に樽材を9ヶ月天日干し(シーズニング)して、それから樽にするそうです。
そして樽の中を焼く加減も他の蒸溜所より若干弱く42〜45秒焼くNo.3チャーというレベルだそうです。(他はNo.4チャーが多いらしい)
そして熟成ですが、メーカーズマークの熟成庫は6階建てで、原酒が入った樽は当初上層階で熟成させ、夏を3回越させてから下層階に移し、そして約3年熟成させて、味わいがメーカーズマークの味わいになったと判断した樽を最大150樽を1バッチとして、ボトリングしているそうです。
なので、メーカーズマークの熟成年数はおよそ6年で、短いものだと5年9ヶ月、長いものだと7年弱の熟成だそうです。
過去のセミナーだと最長6年6ヶ月と言っていたのが、今回は7年弱まで伸びたのは面白いなと思うんですよね。
因みに熟成庫でのカスクローテーションについても、9年前のセミナーでは上層階、中層階、下層階の3層で毎月2回ローテーションしていると言っていたのが、上層階から下層階に移すという説明だけになっているので、もしかすると生産量が増え、こまめな樽の移動というのが行えなくなっているのかもしれませんね。
って思うと、同じお酒のセミナーでも毎回参加して話を聞くと内容に変化があり面白いなと思います。
また今年の2月にアルコール度数を45%から42%に下げると発表し、1週間後に撤回した件で、今後需要に供給が追いつかなくなる可能性が高いと言っていたので、その点も聞いてみたのですが、日本はメーカーズマーク初の海外マーケットで大事なマーケットなので、日本で供給不足になるような事にはしないと仰ってくれました。
なので日本のメーカーズマークファンの方は一安心ですね。
以上先日メーカーズマークのセミナーで聞いてきた話の一部ですが、メーカーズマークについて皆さんにも少し知って頂けたのなら幸いです。
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