あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 響ブランドセミナー

barvirgo2013-05-30

昨日サントリーウイスキー「響」のブランドセミナーに行って来ました。
「響」のセミナーは12年が発売された時以来だったので、約4年ぶりの参加です。
前回は新発売になる「響12年」がどんなウイスキーなのかというセミナーでしたが、今回は来月限定で新発売になる「ディープハーモニー」についての説明はもちろんあったのですが、どちらかというと「サントリーが現在最も力を入れているのが「響」というブランドだという事で、改めて「響」というブランドを知って貰おうというセミナーでした。
なのでセミナーの前半は、最近のウイスキー事情やサントリーが今後「響」をどう知ってもらうかといったマーケティング戦略の話などでした。
という事で、7月から「響」のテレビCMが11年ぶりに放映されるそうです。
そして、輿水さんの話しになってもすぐ新商品の「ディープハーモニー」の話というのではなく、サントリーウイスキー造り、「響」というウイスキーについてある程度話されてから「ディープハーモニー」について話をして頂き、テイスティングさせて頂きました。
その中で、あるじがサントリーウイスキー造りでそんな風に変わっていたのかと知って驚いたのは、山崎蒸溜所のポットスティルが、あるじが以前見学に行った時は殆どのスティルがスチーム蒸溜だったのに、現在では1基を除いて全て直火蒸溜に戻してあると仰っていた事です。
直火蒸溜は火力調整が難しく、スコットランドでも行っているところは少なく、サントリーでもスチーム蒸溜が殆どで直火は山崎、白州ともに1基だけだと思っていましたからね。
こうした話を聞くと蒸溜所へは1度行ったからといって満足するのではなく、ある程度時間が経過したらまた訪れないといけないなと思いました。
どこの蒸溜所でも、何時までも同じ事をしているわけじゃないですからね。
そして当たり前といえば当たり前なのかもしれませんが、サントリーのブレンダー室が凄いなと思ったのは、12年以上の原酒は全樽評価しているという点です。
それも貯蔵庫の何処にあった樽かを自分達で足を運び確認し、行なっているそうです。
山崎、白州、知多のグレーン、12年以上といえども相当な数がある筈なので、常に変わらない味わいを提供する為には全部の樽を見極めないといけないのは理解出来ますが、同じ日に蒸溜し同じ樽種に詰め、ほぼ同じ場所で熟成させた原酒であるならば、相当長熟(たとえば18年以上)させたものなら全樽評価も分かりますが、そこまでじゃなければロットでの評価でもいいんじゃないかと思いますからね。
それを12年以上の原酒で行っているというのは、やはり凄いなと思いました。
まっ、そんな話を伺いながら新商品の「ディープハーモニー」、「響17年」をベースに幾つかの面白い原酒を加え造られているという事で、このセミナーでは2つの構成原酒もテイスティングさせて頂きました。
サントリーのホームページなどで紹介されている赤ワインの空樽で熟成させた白州と、シェリー樽で熟成させた知多グレーンです。
因みに白州の方が1996年に蒸溜した原酒で、これはシャトー・ラグランジュというフランスの赤ワインの空樽で熟成させた原酒だそうです。
個人的にはちょっとタンニンが出すぎているかなと感じました。
そして知多のグレーンは1988年に蒸溜した原酒で、山崎蒸溜所が当時改修中で、山崎原酒を払い出し後のオロロソシェリー樽があり、それで実験的に知多のグレーンを詰めたんじゃないかと仰られていました。
サントリーは色んな原酒造りを行う為色々と実験的な事も行っている為、沢山あるわけではないそうですが、こうした珍しい原酒も出てくるそうです。
なのでリフィルシェリー樽ということでしたが、しっかりシェリー樽っぽい味わいのグレーンでした。
そしてこれらの原酒は他に無い為、今回4,000本限定での販売なんだそうです。
それと味わいに関しては、嗜好品なので何ともいえませんが、個人的にはベースだという「17年」そのものの方が好きな味わいですね。
ただワインが好きな方には気に入ってもらえる味わいなんじゃないかとも思いました。
以上うまく纏められませんでしたが、「響」のセミナーについてでした。
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