あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 グレンフィディック&バルヴェニー・セミナー

に、昨日行って来ました。
今回はバルヴェニーから「14年カリビアカスク」、「17年ダブルウッド」の2種類が新発売される事にともなって行われたセミナーでした。
にも拘らず、グレンフィディックについての話の方が長いというちょっと面白いセミナーでしたね。
まっ、共にウィリアムグラント&サンズというファミリー企業が営んでいる蒸溜所で、そのシングルモルトのメインブランドが最初に立ち上げたグレンフィディック蒸溜所だからなんでしょうね。
そんな訳でセミナーの最初はスコットランドのスペイサイドでなぜウイスキー造りが盛んなのか、そしてウィリアム・グラントがグレンフィディック蒸溜所を立ち上げた経過、理由、そしてグレンフィディック蒸溜所のウイスキー造りについて話して頂きました。
因みに製造工程で特に特徴的なのは、グレンフィディック蒸溜所では全ての工程にロビーデュー・スプリングウォーターの水を使っていることだそうです。
確かに仕込み水、クーリングウォーター、アルコール度数を調整する為の水は、違う水、特にアルコール度数を調整する為の水は仕込み水を使わない蒸溜所が多い中、マッシングからボトリングまで全て同じ水を使っている蒸溜所は珍しいと感じますね。
そして毎回感じることですが、ウイリアムグラント&サンズ社が凄いと思うのは、蒸溜所内にクーパレッジ(樽工場)があってクーパーが居(8名)、コッパースミス(銅職人)もいらっしゃって、ポットスティルのメンテナンスも自社で行なっている点ですね。
そしてバルヴェニーですが、こちらは蒸溜所や製造工程に関しては簡単な説明だけで、どちらかというとテイスティングがメインという感じでした。
強いて言うなら、バルヴェニーではバルヴェニーモルテッドバーレーという独自の大麦を栽培していて、未だ自家製麦(モルティング)を行なっている点が特徴ですかね。
但し、ウイスキーの生産量からすると現在自家製麦しているのは約15%程度だそうです。
ただ15%を維持するのも結構大変なぐらい生産量は増えているそうです。
そしてテイスティンググレンフィディックも勿論テイスティングしましたが、やはりここでのメインはバルヴェニーって感じでした。
で、ここでテイスティングさせて頂いたのは、「12年ダブルウッド」、「14年カリビアカスク」、「17年ダブルウッド」、「21年ポートウッド」でした。
因みにこの4種類は全て表記されている年数はバーボン樽で熟成させた年数で、その後ダブルウッドであればシェリー樽、カリビアカスクはラム樽、そしてポートウッドはポートワイン樽で6ヶ月前後、後熟させているのだそうです。
そして今回あるじが気になっていたのは「14年カリビアカスク」で、これは最初口にしたときはそうでもなかったのですが、少し加水し時間をおいてから飲んでみたら、とても柔らかく甘いラム様の香りが立ち、口に含んでも優しく滑らかでかなりあるじ的には良い感じでした。
そしてラム樽フィニッシュという事で、どんなラム樽か気になる方もいらっしゃると思いますが、以前免税店向けにリリースされていたゴールデンカスクというのがあったのですが、それはキューバのラム樽を使っていたそうですが、それだとアメリカでは販売が出来なかったらしく、現在はその他の地域から集めた、しかも販売される事のないラムを入れた樽を使っているそうです。
要はカリビアカスク用って事のようです。
それじゃバーボン樽は何を使っているの?なんて気になる方もいらっしゃると思いますが、それはヘブンヒル社のバーボン樽を使っているのだそうです。
てな訳で、あるじ自身ある程度知ってるつもりでしたがまだまだグレンフィディックについてもバルヴェニーについても知らない事があり、それを知る事が出来たので、やはりどんなセミナーでも参加する価値はあるなと思いました。
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