あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 ウィレット蒸溜所セミナー

昨日は昨年1月に、約30年ぶりに蒸溜所をリニューアルオープンしたウィレットのセミナーに行って来ました。
なので、そこで聞いてきた事などを簡単に紹介したいと思います。
先ずウィレット、ご存知の方もいると思いますがバーボンウイスキーです。
セミナーでは先ずウィレット家のウイスキー造りの歴史を聞き、その後アメリカにおけるバーボンウイスキーの定義、そしてウィレット蒸溜所のウイスキー造りについて時折ウィレットのバーボンウイスキーテイスティングさせてもらいながら聞きました。
で、アメリカにおけるバーボンウイスキーの定義の中で今まで聞いた事がなく今回初めて知ったのが4年未満の熟成だと年数表記をしなければならず、4年以上熟成させたものであれば年数表記はしてもしなくてもよいということです。
そしてケンタッキーウイスキーやケンタッキーバーボンと表記される物は、ケンタッキーで蒸溜され最低1年はケンタッキーで熟成させないといけないそうです。
だから変な話1年以上ケンタッキーで熟成させれば、その後日本で熟成させてもケンタッキーの表記が出来るのだそうです。
そして現在ウィレット蒸溜所にはコラムスティルが1塔、そしてポットスティルが2基あり、初溜ウォコラムスティル、再溜をポットスティルで行なっているそうで、ポットスティルが以前からあったものと2007年に造られた物があり、造るウイスキーによって使い分けしているそうです。
そして造っているウイスキーのマッシュビル(原料配合日)は7種類あり、バーボン用が5つ、ライウイスキー用が2つだそうです。
全部のマッシュビルは聞きませんでしたが、基本となるマッシュビルは教えてくれて、コーン72%、ライ麦13%、モルト15%だそうです。
で、ここで面白い質問が出て、使っているコーンは遺伝子組み換えかどうかという質問だったのですが、遺伝子組み換えのコーンを使っていないとはいえないという答えで、また遺伝子組み換えであるかどうかは意味がなく、小麦アレルギーの人が小麦を使って造られている蒸留酒を飲んでもアレルギー症状が出ないのと同じで、蒸溜する事で遺伝子組み換えであるかどうかの影響は出ないと考えているとの事でした。
まっ、ここは考え方次第なので、気にされる方はバーボンを飲むのを止めた方がよいでしょうね。
何しろウィレットは現在1日19樽分しか蒸溜していない小さな蒸溜所で、ここでさえコーンが遺伝子組み換えかどうか分からない状況という事は、他のバーボンはもっと大きな蒸溜所で造られているので、間違いなく遺伝子組み換えのコーンが使われているでしょうからね。
などなど書いているとまた長くなるのでここまでにしますが、ウィレットは若いマスターディスティラーのもと丁寧なウイスキー造りを心がけているなと感じました。
にほんブログ村 酒ブログ 洋酒へ
にほんブログ村