あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 シングルカスクを買うには

アメリカのウイスキーサイトで記事になっていたのが、シングルカスクウイスキーについてでした。
いわゆる蒸溜所がボトリングして販売しているウイスキーには殆どシングルカスクでボトリングされている物は無く、多くのシングルカスクでボトリングされ販売されている物はスコッチでもバーボンでもインデペンデントボトラー(独立瓶詰業者)の物が多く、販売しているボトラーは各蒸溜所から樽を買っているので、もしその樽が期待通りに熟成しなくても販売するという事を指摘していました。
この話は自分も聞いた事があり、何年か前にダグラスレイン社(インデペンデントボトラー)の社長、フレッド・レイン氏が来日し、お話をしてくださったのですが、ダグラスレイン社でも色んな蒸溜所から買った原酒の樽が思ったとおりに熟成しない事は多々あるが、ダグラスレインではそうした樽の原酒でもシングルモルト、シングルグレーンだけを販売しているのではなく、ブレンデッドウイスキーを造っている為、原酒を無駄にする事も無く、無理にシングルカスクでボトリングしないで済んでいるとの事でした。
ですが最近は、これもアメリカの記事にもありましたが、幾つあるのだろう?というぐらい沢山のボトラーが誕生し、小さいボトラーであればあるほど蒸溜所から買った原酒の樽が思い通りに熟成しなくてもボトリングして販売するようになってきているのです。
そして、自分などは仕事柄全てではないですがシングルカスクウイスキーでも試飲してから買う事が出来るのですが、一般のウイスキーファンの方がウイスキーを買う時にはその多くが買う前に試飲する事が出来ず、ラベルに書いてある情報やテイスティングノートのみで買わざるえないので、外れを引く事が増えてきたんじゃないかと感じます。
実際何十年も前から外れたと感じるシングルカスクはあったし、現在ほどボトラーが多ければ当然といえば当然なんだと思いますしね。
そしてこうした事もあってか、ボトラーには樽売りをしない蒸溜所も増えてきました。
そんな訳でウイスキー好きの皆さん、少しでもお好みのウイスキーを買うためにも数は少ないですが試飲させてくれる酒屋さんを探してそこで買うか、少し調べて信頼出来るボトラーがボトリングしたシングルカスクウイスキーを買うと良いんじゃないかとあるじなんぞは思います。
折角買ったウイスキーが思ったほど美味しくなかったら寂しいですからね。
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