あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 ベンリアック、グレンドロナック&グレングラッサ・セミナー(4)

barvirgo2013-11-05

さて、少し間が空いてしまいましたが、今日はグレンドロナックの製造についてなど聞いて来た事を書きます。
グレンドロナックで最も拘っているのは、何といってもシェリー樽だそうです。
シェリー樽の購入もブローカーに頼むのではなく、自ら足を運んで購入しているそうです。
そして製造ですが、ベンリアックと違い使用する水は軟水、マッシング(糖化)の際投入する水の回数も一般的な3回で、1回目が65.5度、2回目が84度、3回目が98度だそうです。
そして醗酵ですが、使用しているウォッシュバック(醗酵槽)はオレゴンパインが6槽、スコティッシュラーチ(唐松)が3槽で容量は18,000リッターだそうです。
それで醗酵時間がだいたい65〜85時間掛けるそうです。
で、それから蒸溜に入る訳ですが、ポットスティルが初溜2基の再溜2基の2セットあり、面白い事にセット毎の蒸溜時間を変えているそうです。
もちろん初溜は同じなのですが、再溜の際1セット目はフォアショット(前溜)の時間を10分にして、2セット目の方はフォアショットの時間を18分にしているそうです。
まっ、ハートを得るミドルカットの時間は1.5時間と一緒ではあるのですが、切り替える時間が違う訳ですから、結果得られるニューメークスピリッツも違うものになってくるので、同じ形の蒸溜器で違う原酒造りをしていたんですね。
それとウェアハウス(貯蔵庫)は6棟で、3棟がダンネージ式、そして3棟がラック式で、ラック式の方はブレンデッド用の原酒を熟成させているそうです。
また先にも書きましたが、シェリー樽に拘っているという事もあってか、貯蔵している約35,000樽のうち80〜90%は、ファーストフィルのシェリー樽なんだそうです。
リフィルを含めるのではなくファーストフィルだけで80〜90というのは、バーボン樽全盛の今の時代に凄いですよね。
だいたい以上がグレンドロナックについて聞いて来た製造や拘りについてです。
しかし、グレンドロナックの拘りは分かったのですが、個人的には昔からドロナックのバーボンバレル好きなので、出来ればバーボン樽を増やして欲しいな〜と思うあるじなのでした。

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