あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 トリプルシングルモルトウイスキー

さて、昨日の続きです。
タイトルを見て変だと思いますよね。
トリプルのシングルモルトウイスキーって何だって思いますものね。
それが今アメリカでちょっと話題になっているシングルモルトウイスキーの事なのです。
昨日シングルモルトウイスキーの原料としてあえてモルトと書いていました。
モルト(Malt)はもちろん英語で、日本語に訳す時は大麦麦芽と訳される事が多いのです。
モルト=大麦麦芽というのがこれまでの認識だったし、スコッチウイスキーは勿論日本のシングルモルトウイスキー、はたまた今世界中の各地で造られているシングルモルトウイスキーは先ず大麦麦芽を原料にしていたからです。
しかし、実際にはモルトというのは麦芽だけを意味していて大麦じゃなくても小麦でもライ麦でも発芽させればモルトになるわけです。
なので、アメリカではライ麦麦芽を使用して造られているバーボンなどもあります。
しかし、バーボンではモルトは主原料というより副材料、トウモロコシを主原料としているせいかモルトが大麦麦芽なのかそれ以外の麦芽なのかはあまり意味を持っていませんでした。
まっ、モルト使っているんだから良いでしょう。的な感じだと思われます。
ところが最近ではアメリカでもシングルモルトウイスキーを造るマイクロディスティラリー、クラフトディスティラーなんて呼ばれる蒸溜業者がアメリカ全土に誕生しているのです。
となれば、スコッチのシングルモルトと同じ様なシングルモルトウイスキーでは詰まらないと考える業者が出てくるのは必然で、そこで3つのモルト(大麦麦芽、小麦麦芽ライ麦麦芽)を合わせたモルトウイスキー、トリプルシングルモルトウイスキーを造るところも出てきたそうです。
1つの蒸溜所で穀物原料はモルトだけ、だからシングルモルトウイスキーと言って間違いないでしょ、という考え方だそうです。
あるじもありかなとは思うのですが、これが英国でも認められるのか?アメリカのウイスキー関係者はそのあたりを気にしているようでした。
トリプルシングルモルトウイスキー、ちょっと面白いですよね。
因みにこのトリプルシングルモルトウイスキー、実はイタリア初のモルトウイスキー蒸溜所Puniでも造っているのです。
そして思うのは、ウイスキーの呼び方も大事だとは思うのですが、それよりもそれぞれが個性溢れ、飲み手が美味しい楽しいと感じられるウイスキーを造ってくれればそれだけで良いって事ですね。
そしてトリプルシングルモルトウイスキーの呼び名(カテゴリー)が実際にリリースされた時にどうなるかは分かりませんが、それを是非飲んでみたいです。
皆さんもそう思いません?
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