あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 Hybrid spirit(ハイブリッド・スピリッツ)

barvirgo2014-03-15

と呼ばれるお酒が最近海外では増えているようです。
まぁ簡単に言えばプレカクテル的なものなのでしょうが、一概にはそうとも言えないお酒も増えているそうです。
なので、どんなハイブリッドなお酒が世界では発売されているのか幾つか紹介させて頂きます。
先ず一つ目は「マリブ・レッド」、日本でもココナッツリキュールとして有名な「マリブ」、ラムをベース造られたココナツフレーバーのお酒ですが、「マリブ・レッド」はさらにテキーラの「オルメカ・シルバー」を合わせて出来ているそうです。
ラム+テキーラ+ココナッツのハイブリッドって事なんでしょうね。
そして二つ目は「クルボアジェ・ロゼ」、コニャックブランデーのクルボアジェがワイン好きをターゲットに造ったお酒で、コニャックとロゼワインブレンドし、アルコール度数18%に仕上げたそうです。
18%だとコニャックというより殆どロゼワインなんじゃないかと思ってしまうのですが、クルボアジェ的にはそれで良いんでしょうかね?
そして三つ目は「アブソルート・チューン」、これまた日本でも有名なスウェーデンのウオツカ「アブソルート」、今までにも色んなフレーバードウオツカや、樽熟させたウオツカ等々リリースしていますが、この「チューン」と名づけられたアブソルートは、ウオツカに白ワインのソーウィニヨン・ブランと炭酸を加えたスパークリングワイン・ウオツカなんだそうです。
普通のスパークリングワインでもガスで酔いが早く回るのに、ウオツカまで入ったらそれこそ早く酔ってしまいそうなお酒ですね。

そしてハイブリッドはウイスキーの世界にも登場しています。
またそれはフレーバード・ウイスキーとも違ったウイスキーなのです。
そしてその1つが写真のその名も「ハイブリッドNo1エディション・モルトウイスキー」です。
これはアイルランドティーリング・ウイスキーカンパニーがリリースしたウイスキーですが、ティーリングのオーナーは元クーリー蒸溜所の創業者で、その昔(6〜7年前)スコッチウイスキーのブルックラディが「ケルティックネイションズ」というウイスキーをリリースした際にブルックラディにクーリーの原酒を提供していたのです。
クーリーはアイルランドウイスキーなので「ケルティックネイションズ」も一度はリリース出来たのですが、その後SWA(スコッチウイスキー協会)からアイルランドの原酒が混ぜられたものはスコッチとして認められないとされリリース出来なくなり、その「ケルティックネイションズ」の原酒をティーリングが引き取り、スコッチでもアイリッシュでもないウイスキーとして2年前に発売されたのがこの「ハイブリッドNo1エディション・モルトウイスキー」なのです。
なるほどハイブリッドだ!とも思いますが、このあたりは考え方ですよね。
ジャパニーズウイスキーの中にはスコッチウイスキーの原酒がブレンドされているものが沢山ありますが、「それはジャパニーズじゃない、単なるウイスキーだ。」とか「それはハイブリッドなウイスキーだね。」なんていう人は誰も居ませんからね。
まっ他にも色々ありますが、お酒の世界はシンプルに造られたものでも素晴らしい物があれば、色々工夫してブレンドしてまた複雑で深みのあるものも登場し、本当に飽きない楽しい飲み物だと改めて思いました。
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