あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 Annandale Distillery(アナンデール蒸溜所)のマネージャー

barvirgo2014-07-27

の記事があったので、そのあたりを少し。
「小言」でも何度か紹介しているアナンデール蒸溜所、この夏から稼動も決まり蒸溜所のマネージャーに就任したMalcolm Rennie(マルコム・レニー)氏のインタビュー記事がありました。
新しく生まれ変わったアナンデール蒸溜所の新マネージャーがどんな方なのか?またアナンデールのウイスキー生産について書かれていたので紹介します。
先ずマルコム氏ですが、マルコム氏は父親が最初アイラ島ブナハーブン蒸溜所のクーパー(樽職人)で、その後ブルックラディ蒸溜所に移り25年間ウェアハウスマン(貯蔵庫番)を務めた方だそうで、自身も1987年にブルックラディ蒸溜所に入り、当初はマッシュマン(糖化・醗酵を担当)をしていたそうです。
しかし、ブルックラディ蒸溜所が休止してしまった為いったん職を失ったそうですが、1997年にグレンモーレンジィがアードベッグ蒸溜所を買収し再開させた事で、蒸溜所の仕事を続ける事が出来たそうです。
それから2003年にアシスタントマネージャーとしてエルギンにあるグレンマーレイ蒸溜所(当時はグレンモーレンジィ傘下の蒸溜所)に転勤したそうです。
その後アイラ島に新たな蒸溜所(キルホーマン)が出来るという事でアイラ島に戻り、2005年キルホーマン蒸溜所の初代マネージャーとして2010年まで働いたそうです。
そして2010年にアナンデール蒸溜所のオーナーに誘われ、アナンデール蒸溜所再建の仕事に就いたそうです。
そして蒸溜所の再開に伴ない、マネージャーに就任したそうです。
とても経験豊富なマネージャーさんといった感じですね。
しかもアイラ島の3つの蒸溜所で働いていたという事なので、あるじ的にはなんだか親近感を持ってしまうマネージャーさんです。
そしてアナンデール蒸溜所のウイスキープロダクトですが、ピーテッドタイプ、ノンピーテッドタイプ両方生産するそうです。
そのためにモルトビンとかスピリッツレシーバーは最初からそれぞれの物を用意したそうです。(これは賢いかも・・・)
そして原酒は、フルーティな原酒を生むべく大きなウォッシュスティル(12,000L)1基に小さなスピリットスティル(4,000L)2基で1セットとしたそうです。
コッパーコンタクト(銅と触れる面積)が多い方がフルーティになると言われますからね。
そしてよく見つけたなと思うのですが、モルトミルはポーティアス製だそうです。
2003年に閉鎖したキャパドニック蒸溜所で使っていた物だそうですが、何時どこで入手したんでしょうね。
そしてマッシュタンは2.5トン容量のセミロイタータンで、ウォッシュバックは12,000L容量のダグラスファー(米松)製が6槽だそうです。
あと熟成樽は基本バーボン樽で若干のシェリー樽、またフィニッシュ用の樽としてポートなど幾つかのワイン樽も使うようです。
また生産量としては、当初は年産アルコール換算で26万リッターを想定しているそうです。
またマネージャー的には最低6年は熟成させたいそうなんですが、新規蒸溜所としては資金的な問題もあり、3年経ったら最初のウイスキーをリリースするそうです。
リリースはしたくないけど仕方ない、なんて言うところは良心的なマネージャーで良いですね。
等々、だんだんとアナンデール蒸溜所について分かってくると、早くこの蒸溜所のウイスキーを飲んでみたくなるし、いつかは蒸溜所見学にも訪れたいなと思ったあるじなのでした。

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