あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 スコッチウイスキーの動向

barvirgo2015-02-06

昨年から今年に掛けてスコッチウイスキーの今後について心配する声をネット上でよく見かけます。
なにしろ昨年上半期、スコッチウイスキーの輸出が金額にして11%もダウンしたからです。
特にアメリカや中国での落ち込みが大きかったようです。
それで中国の場合は経済成長に翳りが見えてきたので売上げが落ちるのはある程度理解出来るのですが、問題はアメリカです。
アメリカは経済的には回復傾向にあるように思われます。
それなのにスコッチウイスキーの売上げは落ちた、これは怖い現象ですよね。
理由は幾つもあると思われるのですが、先ず1つは他のウイスキーもよく飲まれるようになった事があるようです。
バーボンウイスキーの復活、アイリッシュウイスキーの台頭、ジャパニーズウイスキーの進出などです。
そしてその他のスピリッツが今まで以上に飲まれるようになって来た。
特にラムとテキーラだそうです。
またスコッチウイスキーの価格が徐々に上がっているのも影響しているようです。
実際日本でもスコッチに限らずですが、ウイスキーの価格が上がり始めていますしね。
これはせっかく日本でのウイスキー需要が回復傾向にある中、ちょっとブレーキを掛けないのか心配になります。高いと日常的に飲めなくなりますからね。
まあ他にもスコッチウイスキーの売れ行きが下がった原因はあるのでしょうが、ここ数年凄い伸びだった為に結構多くのスコッチメーカーが増産体制に入り、止めていた蒸溜所の再稼動や新しい蒸溜所の建設、また既存の蒸溜所の拡張など今後に向けた先行投資をしていたので、小さい蒸溜所の閉鎖や大手グループでも経営効率を考えて傘下蒸溜所を止めるといった事が無いと良いなと思いました。
なにしろ1980年代のウイスキー不況、その影響で数多くの蒸溜所が閉鎖してしまいました。またそんな事になったら寂しい限りですからね。
という訳で、今後のスコッチウイスキーの動向が気になるあるじなのでした。

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