あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 詳しくなくても・・・

先週初めてお見えになられたお客様が、「自分はウイスキーは好きだけれど詳しくないんです。」と仰られ、少しお話をさせて頂きました。
その中であるじ的にショックだったのは、そのお客様が以前住んでいた町で時々通っていたバーの話でした。
そのお客様はその町に住む前の町のバーでウイスキーを飲む機会を得、それからウイスキーを飲まれるようになったそうです。
とはいえ飲むようになったばかり、お気に入りのウイスキーは見つけたけれどウイスキーに詳しくなった訳ではないそうです。
もうあるじ的にはウイスキー好きになってくれただけで嬉しいのですが・・・
そして転勤、次の町では上司の方がウイスキーが好きだということでウイスキーで有名なバーに連れて行ってくれたそうです。
因みにあるじもそのバーには入った事は無いのですが、名前は聞いたことのある結構有名なバーです。
そして件のお客様はウイスキーが好きになられた訳で何度かそのバーに足を運ぶようになったそうです。
しかし、そのバーのオーナーはウイスキーに詳しくないそのお客様の相手をしてくれなかったそうです。
そのお客様はとても良い方で自分がウイスキーについて詳しくないのだから仕方ないと仰いましたが、それは違うと思うのです。
ウイスキーについて詳しいお客様より、詳しくないお客様にもっとウイスキーを知ってもらって、より好きになってもらうのがウイスキーをメインで扱うバーの役目だとあるじは思うのです。
初めから何でも知っている人は居ません。
特に最近まで飲酒人口が減り続けてきたウイスキー、やっと最近興味を持つ方が増えてきたのに、ウイスキーを知らないからって相手にしないなんてふざけ過ぎです。
常連のお客様が大事なのもよく分かります。
しかし、それ以上に新しいお客様、またウイスキーに興味を持ち好きになってくれたお客様に、ウイスキーの素晴らしさ、そして奥深さ、そんな事を伝えられるバーテンダーになりたいと改めて感じさせてくれる、そんなお客様の話でした。
てな訳で、先ずはウイスキーが美味しいと思って飲んで頂ければOKです。
そして何か知りたいと思った時はどんどんバーテンダーに聞いてください。
そしてウイスキーを扱うバーの方は是非ウイスキー好きが増えるよう教えてあげてください。
マニアだけの飲み物にしてしまうと必ず先細りしてしまいます。
なのでそうならないよう皆がウイスキーを愉しめる、そんな文化が育って欲しいと思うあるじなのでした・・・

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