あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

スペイそして西へ! (18) 〜グレンロッキー〜

barvirgo2015-11-04

9/25(金)、この日はハリーポッターの世界、ジャコバイト号往復の旅とベンネヴィス蒸溜所見学を2大行事として組んでいたんですが、久しぶりに訪れたフォートウィリアム、今まで訪れる事の出来なかったグレンロッキー蒸溜所跡を朝の散歩で訪れる事にしました。
あまり知られていませんがグレンロッキーというシングルモルトウイスキーがあり、それを製造していた蒸溜所が実はフォートウィリアムに在ったのです。
しかしウイスキー不況が襲った1980年代、多くの蒸溜所が閉じたのと同じ1983年にグレンロッキー蒸溜所も閉鎖してしまったのです。
まあ蒸溜所が在った時代にシングルモルトウイスキーとしてリリースされたことはなく、ブレンデッドウイスキー用の原酒として使われていただけなので仕方ないのかもしれませんが、やはり一抹の寂しさを感じずにはいられず、蒸溜所の建物は歴史的建造物として残されていると聞いたからには是非一度この目で見ておこうと決め、この日の朝見に行って来たのです。

そして実際にこの目で見ることが出来、良かったなと思いました。
グレンロッキー蒸溜所、閉鎖から32年が経ちそのシングルモルトウイスキーを口にする事は今後まず無いでしょう。
忘れられていく可能性の高い蒸溜所といっても良いかもしれません。
しかし、そこに蒸溜所があったことを知らない人が訪れても蒸溜所が在ったんだと誰が見ても分かるように、ウイスキーの歴史の1ページとして語り継いで欲しいと言わんばかりの雰囲気を残すパゴダ屋根に、ウイスキーに携わる仕事をする者として、ここに在った蒸溜所のことをあるじがこれから少しでも多くの方に語れたらな〜と思った朝の散歩なのでした。

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