あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 ウイスキー・ガロアのボトル

barvirgo2016-02-06

が新たに2本見つかったそうです。
1949年に上映された映画「ウイスキーガロア」、その映画のもとネタとなっている1941年に実際に起きたSS Politician号座礁事件、スコットランドの北西エリスカイ島近くで悪天候に遭いイングランドリバプールからジャマイカ行きの貨物船が座礁したのですが、その時この船には28,000ケースのウイスキーも積荷として積まれていたそうです。
そして船は座礁して沈没したそうですが、座礁するぐらいですから浅瀬です。
積んであった荷物の回収は物にもよりますが、そう難しくは無いところに沈んでいたようです。
船が沈んだ近くの島の島民達は先ず船員を助け、船の荷を聞いて心躍ったようです。
なにしろ1941年当時のスコットランド島嶼部、島民の多くは貧乏でウイスキーは国からの配給だったそうです。
メインランドや大きな島のようにウイスキーを造ることも出来ない島の島民にしてみたら夢のようなお宝が近くに沈んでいるという事になるのです。
なのでこのSS Politician号の荷物を国や船主が回収に来る前にエリスカイ島の島民や近くに島の島民はウイスキーの回収に走ったわけです。
なので国や船主が回収を始めた時にはあきらかにウイスキーが減っている訳ですから、近くの島は全て調べられたそうです。
まあそのあたりのドタバタを描いたのが映画「ウイスキーガロア」なんですが、現在このSS Politician号の積荷だったとされるウイスキーは8本がスコットランドに有るとされていました。
これは1987年にダイバーが海底から引き上げた物なんだそうですが、今回新たに2本が見つかったのです。
それが上の写真の2本ですが、これは海の底から発見された物ではなく、エリスカイ島より東にあるIsle of Canna カンナ島という島の、その名もカンナハウスにあったそうです。
しかも1960年代には既にそこに置いてあったそうですが、エリスカイ島から若干離れているせいか、今までここにある事に国としては気づいていなかったそうです。
って言うか、1941年当時カンナ島の人もウイスキーの回収に行っていたんですかね。それにしてもウイスキーの魔力恐るべしです。
また少し離れている事もあり、当時のお役人もカンナ島までは調べなかったんでしょうね。
という訳である意味75年ぶりに日の目を見たウイスキーガロアウイスキー、飲ませてくれとは言わないので、どこかに展示してもらいたいものです。
それと英国では今年の年末ぐらいに映画「ウイスキーガロア」のリメイクが上映されるそうなので、これは是非日本でも上映してもらいたいと思うあるじなのでした。

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