あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 E150a

barvirgo2016-02-09

が、また議論を呼んでる様です。
昨日のscotchwhisky.comの記事を取り上げていらっしゃる方が何人か居り、ここ数年ウイスキーを飲み始めた方などはこのE150aというのを知らない方もいらっしゃると思うので、このE150aについて皆さんにも少し知って頂ければと思います。
E150a、これはウイスキーやブランデーなどお酒の色を整えるのに使われるカラメルの事で、一般的にはスピリッツカラメルといわれています。
皆さんが普段よく飲まれているウイスキーに使われている可能性も、実は大です。
ブレンデッドウイスキーはもちろんの事、シングルモルトウイスキーにだって使われている物が沢山あるのです。
それは右上の写真がウイスキーの樽毎のサンプルを並べたものだそうですが、見て頂くと分かるとおり同じ樽種、同じ年数原酒を熟成させてもそれぞれの樽でウイスキーの色が違ってしまうからです。
まして樽種が違えば同じ原酒でも色は大きく違ってしまいます。
そしてブレンデッドウイスキーだけでなくシングルモルトウイスキーも基本は数多くある原酒をヴァッティングして味を調え、ボトリング毎に味わいに違いが出ないようにしているのです。
なので同じブランド同じ年数のウイスキーであれば、何時も同じ味わいを楽しむ事が出来るわけですが、この味わいを優先する事によりボトリング毎に実はウイスキーの色合いにどうしてもバラつきが出てしまう訳です。
そこでボトリング毎に違う色合いにならないよう使用されるのがE150aという訳です。
そしてE150aを使用することで、造られたウイスキーの味わいが変わらないよう使われる量も全体量の0.05%以下と決められてはいるのです。
で、議論になっているのはE150aは本当に味に影響が無いのか?使わない方が良いんじゃないか、使っても良いだろう、どのウイスキーに使われていてどのウイスキーは使っていないのか?などといった点です。
今回のscotchwhisky.comの記事では使う事に反対のブルックラディ蒸溜所のADAM HANNETT(アダム・ハーネット)氏の意見や、賛成派のディアジオ社DR NICK MORGAN(ニック・モーガン博士)の意見が掲載されており、この問題は昔からあるのですが、未だ簡単には解決しない問題であることが伺えるのです。
まああるじ的には出来る事なら使わない方が良いとは思うのですが・・・結構難しい問題です。
後は現在E150aを使っていても表記していないウイスキーが多く、逆に使っていないウイスキーがノーカラーだナチュラルカラーだと表記している状況なので、全てのウイスキーが先ずどちらだとしても必ず表記するようにして貰いたいというのがあるじの願いです。
そうすればE150aを使っていても問題ないという方はそれを飲まれるでしょうし、使ったウイスキーは嫌だって方はノーカラーとか表記してあるウイスキーを選んで飲めますものね。
てな訳で、皆さんにもこれから少し気にして貰いたいE150a問題でした。

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