あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 懐かしのピートカッティング!

「小言」のネタを探していたところ、You Tubeのお勧め動画に2012年、あるじがアイラ島に行った際体験させて貰ったピートカッティングの動画が出てきました。
あるじがピートを掘っている様子をヨメに撮ってもらったものですが、今思うととても良い体験をさせて貰ったなと思います。
 
そこで少しピートの話を・・・
よくウイスキーについて話をしていると、「このウイスキーはピーティーなんですね!」なんて仰られるお客様がいらっしゃいます。
もちろん原料のモルト(麦芽)をピート(泥炭)で燻しピートの香りをつけたモルトウイスキーはあるので、それをピーティーと言っても悪くはないのですが、ただ一言ピーティーといっても実は色々掘る場所掘り方乾燥の加減、キルニング(モルトの乾燥)の前段階だけでも色んなピートがあり、一言でピーティーといってもそれぞれのピートで香りも結構違うものなのです。
大まかに大別すればスコットランドの場合はメインランドのピートにオークニー諸島のピート、そして皆さんお馴染みのアイラ島のピートで、それぞれその土地の植生が違うので、それぞれの地に育つ植物も違うので当然それら植物が分解されずに長い年月を掛けて出来たピートの質も違うので、やはりそれぞれ香りも違ってくるのです。
そしてそんな違ったピートを動画のように人間が手で掘った場合と機械を使って掘った場合では力の加減が違ってピートの中の水分量が変わりますし、深いところを掘るのか浅いところを掘るのかではピートの中に残る植物の量が変わります。
そして掘った後の乾燥加減で燃やした時の燃え方が変わり、燃やした時に出る煙の量も変わってモルトに染み込む香りも変わってくるのです。
なので単にピーティーと言ってもこの時点まででここまで違うのに各蒸溜所ではさらにピートを焚く時間や焚く量を変え、且つ蒸溜する時のハート(樽詰めに回すところ)の取り方さえそれぞれ変えて、それによってよりそれぞれの個性を出すようにしているのです。まあ面白いですよね。
そして場合によってはピートを焚いてあるウイスキーでも、アイラモルトのように個性の強いのばかり飲んでいらっしゃる方だとピートの香りに気づかれない方もいらっしゃったりするので、もう少しピートの香りについて行きつけのバーなどで伺ってみると良いのかもしれませんね。

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