あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 Why Japan loves indie whisky bottlings

barvirgo2017-06-07

というタイトルの記事が英国のウイスキーサイトに掲載されていました。
これは、「日本でボトラーズのウイスキーが愛されているのは何故?」といったタイトルですが、果たして良い意味を持つタイトルでしょうか?
正直あるじはそう感じませんでした。
記事では、日本のバーに入ると見たことのないスコッチウイスキーのボトルがたくさんあると書かれています。
それもボトラーズのウイスキー、いわゆる蒸溜所から原酒を樽買いして自社ラベルでウイスキーを販売している会社のウイスキーが、と・・・
そしてその考察として、日本人は珍しいもの可愛らしいものを好むようだと書かれています。
まああながち間違ってはいないのでやはりそう思われているのか!と感じましたが、問題はここからです。
なので、ボトラーズの会社は自国でリリースする以上に日本向けにボトリングして販売していると書かれているのです。
確かに日本限定ボトリング、よく聞きます。
そして日本のバーはそうした珍しいボトルや可愛らしいラベルのボトルを置いておくとよく飲んでもらえるからそうしたボトルをよく買っていると書かれているのです。
で、問題はウイスキーの味わいで売れているのではない?って事です。
珍しいウイスキーが美味しいのでしょうか?はたまた可愛いラベルのボトルに入ったウイスキーは美味しいのでしょうか?
そんな事はありません。
っていうか、特に最近のボトラーウイスキーはコストパフォーマンスを落としているとすら感じます。
しかしボトラーズのウイスキーは大人気だそうです。
あるじもボトラーズそのものを否定しているのではありませんが、珍しさや可愛らしさを売りにして、日本向けにボトリングすればどんどん売れると思われたら怖いなと思うわけです。
そうなると多少熟成状態の悪い樽のウイスキーでも数が少ないから、ラベルを可愛らしくしとけば日本で売れるからと判断され、日本向けのボトラーウイスキーの品質がよりいっそう悪くなってしまうのです。
なので皆さんもボトラーズのウイスキーを買ったり飲んだりする時はよく注意しましょう。
コストパフォーマンスの合わないもの、美味しいと感じないものについてははっきり言いましょう。
それはボトラーズのウイスキーを扱っているバーやショップ、場合によっては代理店に言っても良いでしょう。
そうしないと日本は簡単なマーケットだとボトラーズの会社に思われてしまいます。
せっかくなら美味しいウイスキーを飲みたいし、皆さんにも飲んでもらいたいので、また英国の方に見たことないボトルのスコッチが見たければ日本に行くといいよ!なんて言われるのも悔しいので、日本のマーケットは珍しさや可愛らしいラベルでボトリングするだけでは駄目だと思わせられるようウイスキーを扱うバーテンダーはもとより、酒販店、代理店、そして飲み手の皆さんが味わいを大事にして頂けると幸いです。
にほんブログ村 酒ブログ 洋酒へ
にほんブログ村