あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 ウルフバーン・スペシャルセミナー

barvirgo2017-06-27

に昨日行って来ました。
ウルフバーンは2013年1月にスコットランドのメインランド、Thurso(サーソー)の街にオープンした蒸溜所で、スコットランド・メインランドでは最北のウイスキー蒸溜所となっています。
創業してからの日が浅く、最低3年経過しないとウイスキーと呼べないのでやっと昨年からシングルモルトウイスキーのリリースが始まったばかりの新興クラフトディスティラリーです。
まあこれからが楽しみなシングルモルトウイスキーといった感じです。
そのウルフバーンの創業社長が来日し、昨日はスペシャセミナーを開いてくれたのです。
なのでそこで伺ってきた話を簡単に紹介させて頂きます。
先ずウルフバーン蒸溜所は現在創業している蒸溜所から約400メートルぐらい離れた場所に1821年から1860年代まで操業していたオリジナルの蒸溜所があったという記録があり、当時と同じ小川の水を仕込み水に使用する現在のウルフバーンは、ある意味復活した蒸溜所ともいえるようです。
そして気候はウイスキー造りに適しており、夏の暑い日でも最高気温は15度程度、冬の寒い日の最低気温は3度程度と大きな寒暖の差は無いそうです。
それで現在蒸溜所で働いているスタッフは4名、原料のモルト仕入れているそうですが、ミリングからボトリングまでは全て自分達で行なっているそうです。
それで映像でボトリング方法の説明を見せて頂いたのですがほぼ手作業、これは相当大変だなと感じました。
また造りはオーソドックス、ミリングも2:7:1(ハスク:グリッツ:フラワー)、マッシングで投入するお湯は3回(1回目65.5°2回目74°3回目90°)、ウォッシュバックは説明はありませんでしたが映像で見る限りステンレス製で現在4槽、出来れば6槽にしたいそうです。
醗酵時間は67〜92時間、これでだいたい8〜9%のアルコール度数のウォート(麦汁)が得られているそうです。
そして蒸溜、1回目の蒸留で8〜9%だったものが約21%に、そして2回目の蒸溜でフォアショット約10分の後およそ73%から取り出し平均して約69.5%のハートを得、それを63.5%に加水して樽詰めしているそうです。
それでウェアハウス(貯蔵庫)は3つあり、すべてダンネージ式で現在は3段積みまでだそうですが、一応4段まで積む事は考えているそうです。
で面白いのは昨年からリリースされているウルフバーンのシングルモルトウイスキー、「Northland(ノースランド)」にも使用されている熟成樽、ラフロイグのクォーターカスクで全体の約30%はこの樽で熟成させているそうです。
そしてもちろんバーボン樽やシェリー樽も所有していて、バーボン樽はバッファロートレースやジムビームから、シェリー樽は最低4年シーズニングしてある樽を入れているそうです。
後ウルフバーンでは年に6週間だけピーテッドを仕込んでいるそうで、約10ppmのフェノール値のライトリーピーテッドだそうです。
そしてこの11月、このライトリーピーテッドのモルトで仕込んだウイスキーを特別な樽で熟成させたウイスキーが世界で6,000本、日本では480本リリースされるのです。
これはサンプルを飲ませて頂きましたが、かなり面白いです。
まあそれ以外にも今年中にはライトリーピーテッドの定番もリリースするそうなので、これからのウルフバーンが本当に楽しみです。
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