あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 Aerstone(エアストーン) 〜分かりやすいシングルモルト〜

barvirgo2018-09-11

グレンフィディック」、「バルヴェニー」等を造っているスコットランドのファミリー企業 William Grant & Sons(ウィリアム・グラント&サンズ)、このウィリアム・グラント&サンズが今月新たにリリースするシングルモルトウイスキーが「Aerstone(エアストーン)」です。
蒸溜所名は明らかにしていませんが、その名前を見れば消費者にその味わいが容易に想像してもらえる、そんなことを考えて誕生したウイスキーだそうです。
テーマに沿った味わいに仕上げ、蒸溜所名ではなく味わいで飲んでもらおうって事のようです。
で、リリースされるのは写真の「エアストーン シーカスク10年」と「エアストーン ランドカスク10年」、アルコール度数は40%でそれぞれ価格は30ポンド(約4,500円)でウイスキーの税金が高い英国としては手頃な価格で飲めるシングルモルトウイスキーといえそうです。
そして名前で味わいを想像してもらう、そこでついた名前が「シーカスク」に「ランドカスク」、日本語で言うなら「海樽」と「陸樽」といったところでしょうか?横文字の方がお洒落です。
まっ!それは措いといて、「シーカスク」はスペイサイドのシングルモルトをエアシャーの海に近い場所で熟成させた飲みやすくてほんのり塩っぽさが感じられるウイスキーだそうです。
そして「ランドカスク」はハイランドのピートを使って造られたピーテッドモルトを内陸部にある貯蔵庫で熟成させたリッチでスモーキーなウイスキーだそうです。
まあともにスコットランドの海や大地をイメージしたシングルモルトだそうです。
「シーカスク」に「ランドカスク」、なんとなく分かるような気がします。
そして最近お客様と話をしていて感じる事とこの「エアストーン」のコンセプトは通じる事があるなと感じました。
それは相手に伝わらない言葉じゃ駄目って事です。
通常のウイスキー(その他のお酒も)は、そのブランド名だけ見ても味わいなんて分かりません。
そこでテイスティングノートがあったり、自分達バーテンダーがそれぞれのお酒について説明をする訳です。
ところが以前からそんな傾向はあったのですが、テイスティングノートを読んでも分からない表現が多かったり、説明にしても格好つけた表現をしているだけで相手には全く伝わっていなかったりと、これでは結局買う気にも飲む気にもならない、そうしたことが多くあると感じるのです。
何も無理して難しい表現や沢山の感想を言う必要も書く必要もありません。
おそらく多くの外国の方に梅干の味がすると言っても伝わらないの一緒です。
シンプルに分かりやすく、海って言われれば塩っぽいよね!とか、スコットランドの大地と言えば何処に行ってもピートがあるよね!とか、そういう分かりやすさがウイスキーを広めるのには大事なんじゃないかと今回の「エアストーン」のリリースを聞いて、思ったあるじなのでした。
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