あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

「キルケラン」のセミナーに

f:id:barvirgo:20190319144042j:plain:right:w350昨日参加して来ました。
「キルケラン」はスコットランド、キャンベルタウンに2004年オープンした比較的新しいグレンガイル蒸溜所で造られているシングルモルトで、「グレンガイル」の名称が日本でいう登録商標の問題で使えないためキンタイヤ半島・キャンベルタウン地域の聖人、セント・ケアランの教会を意味する「Kilkerran(キルケラン)」を商品名としているウイスキーなのです。
で、あるじもグレンガイル蒸溜所へは約3年前に訪れているんですが、そのとき分からなかった事やそれから何か変わった事など知りたく、セミナーに参加しました。
なので今回のセミナーで聞いてきた話を簡単にここで紹介させていただきます。
まず「キルケラン」を造っているグレンガイル蒸溜所、この蒸溜所のオリジナルは1872年現在と同じ場所で創業したのですが1925年に閉鎖、それを現在のオーナーであるスプリングバンクが再開させるべくオリジナルの蒸溜所があった土地を2000年に購入し、そこに新たに蒸溜所を建て2004年からキャンベルタウン第3の蒸溜所としてシングルモルトウイスキーの生産を始めたのです。
キャンベルタウン、19世紀後半から20世紀初頭に掛けてはウイスキーキャピタルと呼ばれるほど数多く(30以上)の蒸溜所があったのですが、どんどん減っていき20世紀後半からグレンガイル蒸溜所が出来るまでは2つ(スプリングバンクとグレンスコシア)の蒸溜所しかない時代が長く続いていたのです。
なのでキャンベルタウン復興の願いもこめて誕生したのがグレンガイル蒸溜所だったのです。
で、グレンガイル蒸溜所、現在生産はミリング(麦芽粉砕)からで、スティーピング(浸麦)とモルティング(発芽工程)、そしてキルニング(乾燥)まではお隣りスプリングバンク蒸溜所で行なっているそうです。
これはあるじが訪れた3年前と同じで、計画としては無いそうですが夢としてはいつかモルティングなどもグレンガイルでやりたいというのはあるそうです。
それでスティーピング、これはおよそ26時間でモルティングはだいたい6日間だそうです。
仕込み水は街の東側の丘を超えたところにあるLoch Crosshill(クロスヒル湖)、キャンベルタウンの3つの蒸溜所は全てこの湖の水を使っているそうです。
そしてキルニングでピートを焚き込むのはフェノール値で15ppmになる様に行なっているそうで、ピートはノーザンスコットランド産のピート、しっかり乾燥させたものとウェットなものを合わせて使用しているそうです。
という訳で工程のここまではスプリングバンク蒸溜所で行なっています。
そしてミリングからグレンガイルで行なっているのですが、グレンガイルでの工程などはまた後日、近いうちに書きます。