あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

スコットランド最初のライセンスディスティラリー

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スコッチウイスキーの蒸溜所で、英国政府公認(licensed whisky distillery)第1号といえばザ・グレンリヴェットというのがこれまでの認識でした。
1824年にライセンスを付与された、それから他の蒸溜所も続くようになったというものです。
とはいえスコッチウイスキーの歴史から見ると1494年には既にウイスキーであろうものが造られていた公式記録があり、ウイスキー蒸溜所として文献に名前が見られるということでいえばフェリントッシュ蒸溜所(1689?〜1785)がスコットランドで最も古い蒸溜所ともいえます。
なので1494年であったり、フェリントッシュ蒸溜所であったり、ザ・グレンリヴェット蒸溜所というのがスコッチウイスキーの歴史的に見るとポイントになっていたと思うんですが・・・
そこに新たにうちこそ英国政府公認第1号と名乗りを上げたのがリトルミル蒸溜所(Littlemill Distillery)のブランド権を持つロッホローモンド・グループで、今まで創業1772年を謳っていてもライセンスを付与されていたのかどうかは分からなかったのですが、それがなんとJustice of the Peace’s records for Dumbarton(ダンバートン州で1756~1795まで酒造ライセンスを発行していた役所)の記録に1773年11月2日 ‘Robert Muir of Littlemiln’ was granted the first ever license by the Government of King George III to ‘retail ale, beer and other excisable Liquors.’とあって、これを持ってリトルミル蒸溜所が英国政府公認第1号だと名乗りを上げたのです。
そして現在はこの記録の精査を依頼しているそうなんですが、もうすでにスコットランド最初のライセンスディスティラリーだといって、最近「リトルミル40年」をリリースした事もあってか下記に貼った動画なんかを作ってました。

早いです。
英国政府公認第1号に自信満々のようです。
そしてこの記録が認められた場合グレンリヴェット蒸溜所はこの先どんな謳い文句を用意するのか?
他人事ながらちょっと気になります。
それともしリトルミル蒸溜所が英国政府公認第1号に認められたとしても、1994年に閉鎖し且つ2004年には火事で消失してしまっているのでこれからリリースされる残り少ない在庫の「リトルミル」は高額でしょうし、今後よっぽど奮発しないと飲むことが出来ないのはちょっと寂しい限りです。