あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

Macallan master whisky maker(マッカラン・マスターウイスキーメーカー)

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シングルモルトスコッチウイスキーマッカラン」、日本でもウイスキー好きならその名前を知らない人はいないと思われるぐらい有名なウイスキーです。
ウイスキーロールスロイスなんて言う人もいるとてもハイブランドな(現地ではラグジュアリーなんて言い方をする)シングルモルトスコッチウイスキーです。
で、この「マッカラン」の味わいを決めるマスターブレンダーという職種があるのですが、この7月までやっていたDr Nick Savage(ニック・サヴェージ博士)がブラドノックというスコットランド・ローランド地方の蒸溜所に転職してしまい、マッカラン蒸溜所においては不在という状況になっていました。
そして今月、マッカラン蒸溜所の親会社であるエドリントンは、同じエドリントングループが所有するブレンデッドスコッチブランド「フェイマスグラウス」のマスターブレンダー、Kirsteen Campbell(クリスティーン・キャンベル)女史を新たに「マッカラン」のマスターブレンダーに任命するのではなく、新たな役割master whisky maker(マスターウイスキーメーカー)という職を作って、「マッカラン」の味を決めるWhisky Mastery Team(ウイスキーマスターリーチーム)のリーダーに任命しました。
各蒸溜所味を決めるブレンダーはもちろんマスターブレンダー以外にもたくさんいますし、それぞれが色んな役割を担ってチームでウイスキーの味を決めたりしていますが、今回エドリントンとしては「マッカラン」の味わい造りを一人のマスターブレンダーが決めているというよりチーム皆で造っているんだという点を強調し、且つそのリーダーがマッカラン蒸溜所195年の歴史上初めての女性なんだということで結構現地でもニュースになっているようです。
まあマスターブレンダーではないですが女性が「マッカラン」の味わいを決めるチームのリーダーに選ばれる、凄く良い事ですよね~!
また写真を見て頂くと分かるとおり、チームの半分3名は女性なのです。
そして男性3名のうち1人の方はmaster of wood(マスター・オブ・ウッド)といって樽の専門職で、もう1人はsample room assistant(サンプルルームアシスタント)なので助手的要素が強く、実際に味わいを決めるウイスキーメーカーはマスターのクリスティーン含め女性が3名の男性が1名という本当に女性が大きな影響力を持つチーム体制となっていて、今後「マッカラン」の味わいってどうなっていくのだろう?とちょっと楽しみに思いました。
そして昨日お1人でお見えになられた女性のお客様が、ウイスキーをストレートで飲むと周りに退かれるし、飲み仲間もいないと嘆いておられたのを思い出し、ウイスキー業界では沢山の女性が活躍するようになっていますし、あるじの周りでも徐々にですがウイスキーを嗜む女性は増えているので、「小言」をご覧の女性の皆さんがウイスキーを楽しまれるのはもちろん、ウイスキー好きの皆さんには周りの女性に是非ウイスキーを勧めてもらえればと思います。
そして多くの女性がウイスキーを楽しむようになれば、マスターウイスキーメーカーになられたクリスティーン・キャンベル女史も喜んでくれると思います。