あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

ウエストランド・アメリカンシングルモルトウイスキー ~1~

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先週「ウエストランド」という、アメリカのシングルモルトウイスキーセミナーに参加して来ました。
まあアメリカのシングルモルトウイスキーというのは今までも幾つかありましたが今ではその数も相当増えているらしく、昨日伺った話だとアメリカンシングルモルトウイスキー・コミッションという団体があり、当初は8つの蒸溜所だったのが現在では140にも上るというので、相当アメリカでもシングルモルトウイスキーは注目を浴びてるウイスキーなんだなという事が分かりました。
そしてそんな中、あるじが気になっていたのが実は「ウエストランド」で、日本でリリースされるのは今回が2度目となるウイスキーです。
ウエストランド」は2017年からレミーコアントロー社の傘下に入り、いったん日本のマーケットから消えたのですが消える前、試飲させてもらった時から他のアメリカンシングルモルトウイスキーとは違うと感じていたので今回の再上陸&セミナーはとても楽しみにして参加して来たのです。
なんて前フリだけで長くなってしまってすみません。
そんな「ウエストランド」のセミナーで伺ってきた話を簡単に、とはいっても一度には書ききれないので2回ぐらいに分けて紹介させて頂きます。
ウエストランド」、ここまで何度も書きましたがアメリカンシングルモルトウイスキーです。
アメリカのワシントン州シアトルに2010年1月創業、実はあるじワシントン州もシアトルもどの辺りだかよく知らなかったんですがアメリカの北西部、本当にウエストランドにあるんですね。
で、そこで創業、ウイスキーを造るにあたってはトウモロコシは収穫出来ない土地らしく、大麦は収穫出来るので地元産の大麦を使った地域に根付いた、スコッチともジャパニーズともアイリッシュとも違う独自の個性を持ったシングルモルトウイスキーを造ろうという事になり、そこに凄く拘わっているそうです。
特に拘っていると感じたのは原料の大麦、地元ワシントン州産の大麦を全体の80%、ただ地元産だけでいいと考えるなら地元産100%でもいけそうなところ、ウイスキーの味わいは樽からばかりじゃない原料にあるんだという考えのもと、ワシントン州以外の大麦も使い全部で5種類の大麦を、色々レシピを試し今現在のレシピに到達したそうです。
こうした複数の大麦を合わせて使うというのはスコットランドでは殆ど無いので、面白いしちょっとアメリカ的だなと思いました。
で、原料の大麦5種類の産地とマッシュビル(構成比)も公表してくれているので紹介します。
f:id:barvirgo:20191022140042j:plain:left:w180ワシントン・セレクト ペールモルト(ワシントン州) 70%
ミュンヘンモルト(ワシントン州) 10%
エクストラ・スペシャモルト(ワイオミング州) 12%
ブラウンモルト(イギリス) 4%
ペールチョコレートモルト(イギリス) 4%

またピーテッドのウイスキーも造っていて、その原料についても明らかにしていて、スコットランドインヴァネスにあるベアード社でフェノール値55ppmのヘヴィリーピートに焚いてもらったモルトを輸入しているそうです。
まあ実際飲んでみても、これはペールチョコレートモルトに由来する味なんだな!なんて事はまず分かりませんが、それでも公表してくれるのはとても有り難く嬉しい事だと思いました。
てな訳でまた後日・・・