あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

スコットランド蒸溜所ツアー 2019 秋 ~27~

f:id:barvirgo:20191124143711j:plain:right:w380マッカラン蒸溜所 見学!
~その2~

マッカラン蒸溜所、マッシュタンを見た後は円を描いて並べられているポットスティルとその周りに配置してあるウォッシュバックを見せてもらいました。
因みにポットスティルは1つの円が初溜4基の再溜8基で12基、そしてこの円が3ヶ所あるのでポットスティルの総数はなんと36基もありました。
もちろん全てのポットスティルを同時に使っている訳ではありませんが、基本1年365日殆ど休まず稼動していると仰っていたので、 毎日36基のどれかで必ず蒸溜が行なわれるという事のようです。
そしてポットスティルを囲むように配置されたステンレス製のウォッシュバック、以前の蒸溜所では見学コースには木製のものを配置していましたが、当時から発酵は木製でもステンレス製でも変わらないと言っていた蒸溜所なので、現在は全てステンレス製になっていて、これはこれで潔いなと思いました。
そんなステンレス製のウォッシュバックを使った発酵は約48時間、2日間程度なので比較的短時間の発酵だなと感じます。
まあそれでもアルコール度数約9.5%のウォッシュが得られると言っていましたから、やはり発酵は時間ではないんですね。
そして蒸溜、1回目の蒸溜で約9.5%のウォッシュが約25%に、そして2回目の蒸溜では約72%から68%まで取り出し、これを加水して63.5%で樽詰めに回しているそうです。
f:id:barvirgo:20191124150249j:plain:left:w380など製造工程については以前のマッカラン蒸溜所とは違って間近で見ながら説明を受けられるので以前より良いなと思いました。
そしてここからがまた面白く、左写真の時はポットスティルの模型が開いて、左がマッカランで右がグレンモーレンジィのポットスティルでそれぞれの蒸溜時の蒸気の上がり具合を光で表し、その違いが目で見て分かるようになっていました。
また切り株の模型からは柾目取りしたような板がせり上がり、樽材の取り方や材の産地が板を見ると分かるようになっていました。
そして以前のマッカラン蒸溜所はここからの方が長く、延々と樽関連の話を樽の博物館みたいに改装したウェアハウスで聞かされたんですが、今の蒸溜所では映像や蒸溜所の壁の一部を動かすなど話を聞くというよりは目で見て樽について理解してもらおうとなっていて、以前より面白く楽しかったです。
で、マッカランといえばシェリー樽ですが、現在はドライオロロソのシェリーで2年シーズニングを施したシェリー樽が主流だそうです。
昔は4年シーズニングといっていましたが、やはり今は4年もやっていられないんでしょうね。
まあ個人的にはしっかり4年はシーズニングした樽を使ってほしいんですが・・・
などなどここには書ききれないぐらいその他も色々最新のハイテクを駆使して蒸溜所見学をさせて頂き見学は終わるのですが、この巨大な蒸溜所内で見かけたのは蒸溜所ガイドと見学者のみで、稼動しているにも拘らずプロダクトのスタッフがどこにも見当たらなかったのが本当に凄いなと思いました。
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で最後はマッカランの象徴、スピリチュアルホームとして名高いイースターエルキーハウスにてテイスティングをさせてもらってマッカラン蒸溜所の見学は終了したのでした。

~続くかな~