あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

鹿児島蒸溜所巡り ~2~

f:id:barvirgo:20201102100619j:plain:right:w380さて、それでは嘉之助蒸溜所の見学です。
嘉之助蒸溜所は現在コの字型の建物になっていて、コの字の奥がレセプション、受付やショップになっています。
なのでまずはそこで受付をします。
それから見学がスタート、いったん建物の外に出て正面左側のコの字の先端で蒸溜所の概要について伺います。
なぜ嘉之助蒸溜所というの名前なのか?どうしてこの場所に在るのか?などですが、このあたりの話はここでは省略して、あるじが関心を持ったのは、嘉之助蒸溜所が当初は小正醸造芋焼酎造りの合い間に生産するつもりで、コの字の真ん中部分にはボトリングホールを建てる予定でいたのをウイスキー需要の多さから、生産自体も昨年から通年で行なう方向へ舵を切り、そうなると現在の蒸溜所では手狭になるのと小正の本業の場・日置焼酎蔵でもウイスキーの製造免許を取ったそうで、ボトリングはそちらの焼酎蔵でやることにしたというのと、焼酎蔵の方でグレーンウイスキーの製造を始めたって事です。
モルトもグレーンも造るのですから完全自社のブレンデッドウイスキーが造れるという事で、これはクラフトウイスキーの雄・秩父蒸溜所でもやっていないので将来楽しみと思いました。
ということでコの字の真ん中には追加の貯蔵庫やタンクが何れ設置されるとの事です。
そんな現在の状況等を伺った後は蒸溜所内に入ります。
蒸溜所内に入ってからもまずは小正醸造の歴史や蒸溜所の名前にもなっている小正醸造の2代目、小正嘉之助氏が米焼酎を樽で熟成させて造った「メローコヅル」の話など伺います。
この樽で熟成させる米焼酎「メローコヅル」が、今の嘉之助のウイスキー造りに繋がっていくっていうのはちょっと感慨深いものがあるなと思いました。
またウイスキー造りに挑戦することを決めた時の苦労や、あるじ的にはウイスキー造りを学んだのがスコットランドのストラスアーン蒸溜所だったというのもとても興味深くやはり実際に足を運んで見て聞かないと駄目だなと思いました。
そして現在の製造について伺います。
現在は1日1トンのモルトを仕込んでいるそうです。
使用しているモルトは英国産で、メインはマントン社というモルトスター(製麦会社)で、その他にクリスプ社、また現在コロナの影響でモルトの入荷が遅れたりと安定しないのでリスクヘッジもあり、ポールズモルト社やベアーズ社などからも仕入れているそうです。
また現在は11ヶ月の稼動で今年から8月の1ヶ月がメンテナンス、そして9月から1ヵ月半ほどピーテッドを仕込んだそうで、その際使用したピーテッドモルトシンプソンズ社製なのだそうです。
メンテナンス後にピーテッドを仕込むのはと思いましたが、その後話を聞くと色々と納得の理由があり、それはここで書くと長くなるので興味のある方は是非嘉之助蒸溜所へ訪れ伺ってみてください。
そしてここから製造の本番、ですがまた長くなってしまうので続きはまた後日書かせて頂きます。