あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

鹿児島蒸溜所巡り ~4~

f:id:barvirgo:20201102103243j:plain:right:w380さて、蒸溜所の見学といえばやはりここ、スティルハウス(蒸溜室)ですよね~!
どの工程も大事なのは分かっているんですが、スティルハウスに入ると上がります。
特に嘉之助蒸溜所ではポットスティルが3基、組み合わせることで色々な原酒の造り分けが出来るのです。
またノンピート麦芽、ピーテッド麦芽、またその組み合わせなど、まだまだ新しい蒸溜所で色々と蒸溜も試しているそうです。
とはいえ基本は2回蒸溜、一番左の初溜釜にアルコール度数約7%のウォート(麦汁)5,600リットルを張り込み、1回目の蒸溜でアルコール度数約20%のローワイン(初溜液)が2,200リットル程度になるそうです。
そして2回目の蒸溜、1回目の蒸溜で得られたローワインの約2/3を真ん中のポットスティルに、そして残りの1/3を右端のポットスティルに張り込んで行なっているそうです。
そうすることによって香味など2回の蒸溜でも違った成分のニューメーク(ニューポット)を得られるようにしているそうです。
また真ん中のポットスティルにもサイトグラス(覗き窓)が付けてあり、初溜が出来るので少量の蒸溜を行なう時などは真ん中で最初の蒸溜を行なっているそうです。
それにポットスティルが3基あるので当然って訳でもないのでしょが、3回蒸溜を行なう時もあるそうです。
それで最終的に得られるニューメークはアルコール度数で69度、容量的には620~630リットルほどで初溜の張り込み量が5,600リットルだった訳ですから最初のウォートからすると約11%程度まで減ってしまっているんですよね。
で、それを加水してアルコール度数63%にして樽に詰めるのだそうです。
あと興味深かったのは蒸溜時の冷却方法で、この時初めて知ったのですが、焼酎の蒸溜というのはワームタブ(蛇管式)を使うのが当たり前で、ここ嘉之助でもワームタブを使用していたって事です。
実際スコットランドでもワームタブを使用している蒸溜所は幾つかありますが、現在の主流はシェル&チューブ式のコンデンサーなので、こうした点も面白いなと思いました。
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そして最後は蒸溜所併設の熟成庫で熟成樽の説明を聞き、あるじは車を運転しているのでヨメだけテイスティングをさせて頂き、嘉之助蒸溜所の見学を終えたのでした。
ただ実際にはもっともっとたくさんのことをお伺いしているので、ここでももう少し詳細に紹介出来ればと思ったのですが、だいぶ記憶力が悪くなってしまったあるじ、この程度しか紹介出来なかったので是非皆さんにも鹿児島へ行って嘉之助蒸溜所、見学して頂きたいと思います。