あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 ブルックラディの実験

barvirgo2015-03-19

スコットランドアイラ島に在る蒸溜所ブルックラディ、ウイスキー造りに対する拘りが非常に強い蒸溜所で、原料の大麦に拘り、アイラ島という島自体に拘り、1881年創業当時の蒸溜設備に拘り、そしてノンチルフィルター・ノーカラーリングに拘る等あるじが最も大好きな蒸溜所です。
そのブルックラディ蒸溜所が今までもアイラ島内の農場毎に場所が変わればその大麦の品質も変わるテロワールというワイン的なコンセプトで別々に蒸溜をしてモルト原酒を生産していたのですが、なんと4年前からそれをスコットランド全体を6つの地域に分けそれぞれの地域からコンチェルトという同じ品種の大麦を100トンずつ仕入れ、モルティングは別々に行い、その後のマッシング(麦汁作り)から蒸溜、そしてフィリングする樽は同じタイプのアメリカンオークにして、貯蔵庫でもなるべく同じ条件で熟成させるという実験を行なっていたそうです。
そして4年前から実験を行っていたという事で、その結果も判ってきたので今回の発表になったそうです。
6つの地域、やはりそれぞれに違う味わいになっているそうです。
なので、それをこれからTerroir collection(テロワールコレクション)という形で2年から3年掛けてリリースするそうです。
因みにスコットランドの6つの地域というのは通常皆さんがスコッチウイスキーの地域分けで聞くハイランド、ローランド、スペイサイド、キャンベルタウン、アイランズ、アイラ、ではなく、ブラックアイル(インヴァネスシャー)、アバディーンシャー、パースシャー、ウエストコースト、セントラルスコットランド、ボーダーズという地域分けだそうです。
ブルックラディ蒸溜所のマスターディスティラー・ジム・マッキュワン氏は、北部や海沿いまた内陸部ではかなり違いがあると言っているので、あるじもリリースされたら飲んでみたいと思いますが、大麦の産地が違うだけで造りが一緒のブルックラディ、味の違いが分かるかどうか?ちょっと不安もあったりします。
とはいえリリースされるのが楽しみで、リリースされたらVirgoでも仕入れるつもりです。

にほんブログ村