あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

遊佐蒸溜所見学 その4

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さて、製造工程を見学した後は貯蔵庫です。
貯蔵庫はダンネージ式、高いところで4段、また地面の下には地下水が流れているらしく地面には石灰が撒かれていました。
カビ防止になるそうです。
そして遊佐蒸溜所では熟成樽は基本アメリカンホワイトオーク樽と決めているそうです。
因みに多いのはワイルドターキーやジャックダニエルの樽だそうです。
とはいえもちろん若干量ではありますがシェリー樽(年に12丁)にミズナラ樽(年に6丁)、またワイン樽(国産ワインで6丁)なども使ってはいるそうです。
f:id:barvirgo:20211122140003j:plain:left:w275f:id:barvirgo:20211122140214j:plain:right:w275左の写真がワイルドターキーの樽で右はワイン樽
それとモルトのタイプとしては基本ノンピートと考えているそうです。
また樽詰め時のアルコール度数は63.5%にしているとの事でした。
f:id:barvirgo:20211122143452j:plain:left:w275f:id:barvirgo:20211122141332j:plain:right:w275で、貯蔵庫まで見学を終えたら試飲です。
来年2月に発売されるシングルモルトウイスキーの完成品ではありませんが、ほぼこれで商品化すると決めた構成の原酒をリリースする61%超のものとリリースはされませんが加水したサンプル46%のもの、それと最近のニューメイク、またお試しのシェリー樽熟成品を試飲させて頂きました。
全般的に3年物としてはかなりレベルが高いと感じましたが、社長が現状に全く満足していないことがそれ以上に良い事だと思いました。
そして造りたいウイスキーは飲み飽きないもの、そして他とは違う遊佐らしいもの造ろうとしている事、ニューメイクの取り方も3年前とは変えてより良くしようとしていることなどたくさんの熱い思いを伺えて、今回社長の思いを伺えたのが何よりも一番為になったと感じました。
なので来年2月に最初のシングルモルトウイスキーがリリースされます。絶対数が少ないのでなかなか入手するのは難しいかもしれませんが、機会があれば是非飲んで頂きたいと思います。

遊佐蒸溜所見学 その3

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さて遊佐蒸溜所のウイスキー製造ですが、前回に少し書きましたが1回の仕込みにモルトを1トン使用するそうです。
それで3回のマッシング(糖化工程)で得られる麦汁が4,900リットル、マッシングの際の湯量や温度は伺ったのですが現場のスタッフに聞けなかったので正確なところはここでは分からず、ちょっと残念ではありましたが見学させて頂けるだけで感謝なので致し方無し。
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上の写真はマッシュタン(糖化槽)とマッシュタンの内部
f:id:barvirgo:20211122134226j:plain:left:w400そして得られた麦汁4,900リットルをウォッシュバック(発酵槽)に移して発酵、ウォッシュバックはダグラスファー(米松)で出来た容量が7,480リットルの物が5槽で使用している酵母はピナクル社製のドライイーストで発酵時間はおよそ96時間だそうです。


またこの時得られるウォッシュ(もろみ)のアルコール度数は8%強だそうです。
そして蒸溜はもちろん2回、但しここも細かい数字はちょっと分からず・・・
およそだそうですが1回の蒸溜で得られるニューメイクは3樽分ぐらいだそうです。
で、ポットスティルに関しては初溜釜が5,000リットル、再溜釜が3,400リットルのサイズで共にスチームを使った間接加熱式で冷却はシェル&チューブのコンデンサーを使用してました。
それと面白いのが冷却水は井戸水を使っているそうで、仕込み水もそうなのか伺ったところ、なんと仕込み水は水道水なんだそうです。
但し、これも水の使用に関して山形県の条例に準じて使っているのと、水道水といえども水質的にはこの地域の地下水と全く差がないからでもあるそうです。
もう少し続く・・・

遊佐蒸溜所見学 その2

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11月22日(月)12時42分、JR遊佐の駅に到着です。
ここで一緒に蒸溜所を見学する友人と待ち合わせ、約束の午後1時半から見学をさせて頂きました。
遊佐蒸溜所は残念ながら今のところ一般の見学は予定されていないとの事で、ウイスキー好きの皆さんが見学出来るようになるのは何時になるか分かりませんが、将来的には遊佐の町と協力して町の観光の一環として厚岸蒸溜所のような見学方法を取り入れられればと仰っていました。
なのでしばらく見学は出来そうもないので、あるじの下手な文章と写真でちょっとは見学した気になって頂ければと思います。
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遊佐蒸溜所は蒸溜所の背後に鳥海山を臨む広々とした田んぼの中に位置する蒸溜所で、白い壁に赤い窓やシャッターが印象的な、ちょっとスコットランド・スペイサイドのベンロマック蒸溜所に似た印象をあるじは受けました。
あるじ的には見学は蒸溜所スタッフの方がやってくれるのだろうと思っていたのですが、なんと蒸溜所を運営する親会社「金龍」の社長と常務が自分達の相手をしてくださいました。
という訳で蒸溜所到着後社長と常務に挨拶をし、早速蒸溜所の見学をさせて頂きました。
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それでまず最初に見学させて頂いたのはモルトビン(モルト貯蔵用タンク)やモルトミル(麦芽粉砕機)が置いてある部屋で、右の写真のCTS PROCESSという文字が見えるのがモルトミルだそうです。
youtu.be
そして面白いなと思ったのが上の動画の機械、これは納入されたモルトに混入している小石などを取り除く機械だそうで、もちろん多くの蒸溜所でこうした機械は置いてありますが、中が見えるタイプでしかも稼働中のところを見れるのはまず無いので見る事が出来て良かったです。
で、使用しているモルトですが100%スコットランド産で、現在はローレイトという品種を使っているそうです。
ただ大麦の品種は変わるのが当然で、ここ遊佐も当初はコンチェルトを使用していたそうです。
そして1回の仕込みは1トン、グリスト(麦芽粉砕比率)の割合は2:7:1(ハスク:グリッツ:フラワー)だそうです。
これは一応違うパターンも行ってはみたそうですが、やはりこのオーソドックスな比率が良かったそうです。
といったところで造りに関してはまた次回・・・

遊佐蒸溜所見学 その1

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11月22日(月)、遊佐蒸溜所に行って来ました。
来年2月に蒸溜所初のシングルモルトウイスキーをリリースするという事もあり、無理を言って見学をさせて頂きました。
あるじ的には蒸溜所のスタッフが案内してくれるのかと思っていたのですが、なんと佐々木社長と佐藤常務がわざわざ蒸溜所まで来て案内及びテイスティングの相手をして下さり自分としてもビックリしましたし、忙しい中見学やテイスティングをさせて頂き社長に常務、また作業中のスタッフには心より御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
また見学させて頂いた内容をどこまで紹介出来るか分かりませんが、「小言」に書いても良いと仰って頂いたので、簡単ですが久々の「小言」として書かせて頂きます。
そこでまず遊佐蒸溜所を簡単に紹介すると、ウイスキー好きの皆さんは日本に新しいウイスキーの蒸溜所が沢山増えているというはご存じかと思いますが、その増えた中の一つで山形県遊佐町日本海側にある鳥海山という山の麓に2018年誕生したのが遊佐蒸溜所です。
オープン当初に、製造スタッフが若い二人の女性というのでちょっと話題にもなりました。
あるじ的にはもっともっとウイスキー業界製造スタッフを含め女性が増えると色んな意味で幅が広がって良いのではないかと思っていたので、とても良い事だと感じています。
そして現在製造のスタッフは6名いらっしゃるそうで、男性もいます。
で、6名が交代で基本メンテナンス期間を除いて毎日交代勤務でモルトウイスキーの原酒造りをされているそうです。
というわけで見学内容については改めて次回から書きますので久しぶりの「小言」、また読んで頂けると幸いです。
続く・・・

山崎・白州のオンラインライブが

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当たるかも…
サントリーのキャンペーンで7/26(月)から8/26(木)の間に山崎と白州の蒸溜所検定に合格すると、抽選で100名ずつが10月に行われるそれぞれの蒸溜所のオンラインライブに招待してもらえるそうです。
しかもただオンラインライブに招待してもらえるのではなく、セミナー用の180mlのウイスキーと特別なグラスも貰えるそうです。
因みに蒸溜所検定は山崎・白州各蒸溜所のバーチャルツアーをご覧になるとすべて答えが分かるので、この機会にバーチャルツアーをご覧になりそして蒸溜所検定、チャレンジしてみては如何?
というわけで蒸溜所検定の詳しい内容と参加はこちらになります。
mobile.suntory.co.jp

Bruichladdich Online Festival in Japan 2021

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さて、フェイスブックでのイベントですが、ブルックラディのオンラインフェスが7月3日(土)の午後1時から午後4時まで開催されます。
現地スコットランドアイラ島ではコロナが無ければ毎年5月末ぐらいにアイラフェスがあって、当然ブルックラディも蒸溜所でイベントを開催するのですが、昨年・今年と新型コロナの影響でオンラインでのフェスとなってしまいました。
まあそれでもオンラインでイベント出来る、良い時代だと思います。
そこで現地でのオンラインフェスを受け、フェイスブック内にあるブルックラディ好きのコミュニティ「ブルックラディ俱楽部」でも日本の皆さんにもっとブルックラディを知ってもらおう、楽しんでもらおうと、現地の今年のテーマ『TIMETRAVELLERS』を少し踏まえた内容で「Bruichladdichの過去と今、未来」などをテーマに皆さんと一緒にオンラインで楽しみましょうってイベントを行います。
なのであるじも少し手伝わせていただくんですが…
宜しければ皆さんにも参加して頂ければと思うのです。
参加方法は上手に貼れませんでしたが下記のリンクよりイベント開始時にフェイスブック内のイベントページに入って頂き、Facebook Liveから視聴して頂く事になるようです。
[https://www.facebook.com/events/118819216973973?acontext=%7B%22event_action_history%22%3A[%7B%22surface%22%3A%22group%22%7D]%7D:embed:cite]
そしてイベントではテイスティングセミナーがあったりクイズもあるのですが、クイズの景品にはなんと!!
あるじの店の25周年ボトルを1本供出させていただきました。
それ以外にも豪華景品がたくさんあり、クイズも調べられるもの、勘を頼りにするものなどブルックラディの知識がなくても豪華景品を貰えるチャンスがある内容だそうなので、お時間あれば是非参加してください。
宜しくお願い致します。

Virgo営業再開と7月11日までの営業について

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あるじの店、BAR Virgoは大変長い間お休みを頂きましたが、6月20日(日)をもって東京都の緊急事態宣言が明け、7月11日(日)を期限としたまん延防止措置への移行及びまん延防止措置下においての東京都の方針の発表を受け、何とか今月21日(月)から営業を再開出来る事となりました。
但し、7月11日(日)までの営業時間は15時(午後3時)から20時(午後8時)、ラストオーダーは19時(午後7時)の時短営業となります。
(コロナの感染状況次第では変更となる場合もあります)
また営業するには条件があり、お客様1組について2名様が上限となるそうです。
なので「小言」をご覧の皆様におきましても御来店に際してはお1人かお2人での御来店をお願い申し上げます。
3名様以上で御来店の場合はお断りをさせて頂きます。
また狭い店のためお客様が4名様を超えた場合は、お断りさせて頂く場合もございますので、確実に入店されたい場合には事前にご連絡頂きたくお願い致します。
それと在店時間にも制限が掛かり、入店から最長90分までだそうなので、当店としてもゆっくりしてもらいたくはあるのですが、御来店から90分以内で退店頂きたくお願いを申し上げます。
などなど色々と条件付きで皆様にもまだまだご迷惑をお掛けしますが、ご理解のうえ足をお運び頂きたく重ねてお願いを申し上げます。

BAR Virgo あるじ こと 倉持 修