今日は土曜日にお見え頂いたお客様から「シェリー」って、どういうお酒なんですか?と聞かれたので、そのお客様に限らず、どんなお酒か知らない方も多いと思い、ここでは簡単に説明したいと思います。
「シェリー」というのは、スペインのヘレス地方で造られている酒精強化ワインのことです。
酒精強化ワインというのは、簡単に言うと蒸留酒を加え、アルコール度数を高くしたワインのことで、もともとはアルコール度数を上げてワインの保存性を高くする為に行なわれていたそうです。但し、現在はただ蒸留酒を加えただけでは酒精強化ワインとは言わず、それぞれの個性を形成するために蒸留酒を加えたワインだけが酒精強化ワインに分類されています。
で、話を「シェリー」に戻しますが、「シェリー」の場合は、先にも書きましたが、スペインのヘレス地方(イベリア半島南端)の「ヘレス・デ・ラ・フロンテラ」「エル・プエルト・デ・サンタ・マリア」「サンルーカル・デ・バラメダ」という3つの街で囲まれた3画地帯で造られたものだけをいうそうです。
原料のブドウ品種も決められていて、「パロミノ」「ペドロ・ヒメネス」「モスカテル」の3品種(白)になります。
そしてどのように造られるかというと、9月の初め頃からブドウの収穫を始め、破砕、搾汁し、それを醗酵させます。で、この醗酵させるときにイエソと呼ばれる石膏を混ぜるそうです。これは果汁の酸度を高め腐りにくくする為なんだそうです。こうして醗酵させているとそのワインの表面に「フロール」と呼ばれる酵母の膜が出来るそうです。そして醗酵が終わるとアルコール度数11〜12%のワインが出来るのですが、この時の「フロール」の出来具合などで、どんな「シェリー」にするかの分類をするそうです。
こうしてどんな「シェリー」にするか決まったところでブランデーを添加し、フィノタイプで15%、オロロソタイプで17%までアルコール度数を上げるそうです。
で、ここから後は樽で熟成させるわけですが、「シェリー」の場合は「ソレラシステム」と言われるちょっと独特の熟成方法が行なわれています。それは樽を3段から4段に重ね、一番下の樽から少量ずつ製品用に取り出し、その減った分を2段目の樽から補充し、そのまた減った分を3段目から補充するというやり方なのです。こうすることによって古い「シェリー」の特徴を若い「シェリー」が身に着けて、常に安定した品質の「シェリー」を造る事が出来るそうです。
長くなってしまいましたが、これでもだいぶ省略した説明なんですよ。だから「シェリー」のタイプについては、後日別の機会があれば書きたいと思います。