あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

グレンゴイン、アラン、スプリングバンクそしてアイラ −8−

barvirgo2012-05-22

4月30日(月)午前、スプリングバンク蒸留所の見学が続きます。
モルティングやキルニング(モルトの乾燥)、蒸留時の冷却方法を聞いた後という事で、スプリングバンクでは3つのタイプのウイスキーを造っているという説明がされます。
スプリングバンクロングロウ、ヘーゼルバーンの3つですね。
で、ここではヘーゼルバーンがノンピートで、ロングローンがピートを48時間焚き、スプリングバンクは6時間だけピートを焚き後はガスで乾燥させているという事を聞きました。
結果はスプリングバンクはライトピートでフェノール値が8ppmロングロウがヘヴィリーピートで50ppm、ヘーゼルバーンは0ppmとなっているそうです。
また話は少しモルティングのことに戻り、スプリングバンクでは今も100%自社でモルティングを行なっているそうです。モルティングを今も自分のところで行なっている蒸留所は幾つかありますが、100%自分のところで賄っている蒸留所はここだけでしょうね。
そしてミリングルームへ、写真はぶれてしまいましたが、やはりモルトミルはポーティアス製でした。
またマッシングでは、お湯を3回使うところが多い中スプリングバンクでは4回使っているそうです。
そしてファーメンテーション(醗酵)には110時間(約5日)掛けるそうです。
110時間は今まで見て回った蒸留所の中では、確か1番時間を掛けているんじゃないかな・・・
で、これだけ時間を掛けているのに得られるアルコール度数は5%だそうです。
かなり低いなぁと思ったのですが、フランク曰く、これがトラディショナルなんだそうです。
それとウォッシュバック(醗酵槽)はパインではなくラーチ(カラマツ)で出来ているそうです。
これも珍しいと思ったのですが、それ以上に驚いたのは、写真を見ていただいても分かるとおり、ここのウォッシュバックには泡切りが付いていなかったことです。
通常醗酵のピークには泡がたくさん発生するので、ウォッシュバックの外にこぼれないよう泡を切るブレードが取り付けられているのですが、ここにはそれが付いていなかったんですよね〜・・・
そしてまたスティルハウスに戻り蒸留の説明です。
ここでも面白いと思ったのは、ウォッシュスティルはガス直火で、ミドルスティルとスピリットスティルはスチームで蒸留しているということですね。
またロングロウを蒸留する時はミドルスティルを使わず、ヘーゼルバーンは普通に3回蒸留で、スプリングバンクは2回半の蒸留で、その半の説明を聞いたのですが、やはり分かり難く、ローワインスティルで蒸留して出来た物を一部はミドルスティルで蒸留し、そこで出来た物とローワインスティルで蒸留した時に出来た物を合わせてスピリットスティルで蒸留しているようです。
そしてこの後はフィリングストア(樽詰所)で樽の説明を聞き、ウェアハウス(貯蔵庫)を見せてもらい、最後はケーデンヘッズ・ウイスキーショップに戻りテイスティングをさせて貰ってスプリングバンク蒸留所の見学を終えました。
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