あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 ラム

昨日は「テキーラ」について書いたので、今日は「ラム」についてちょっと書いてみようと思います。
「ラム」は皆さんご存知だと思いますが、「サトウキビ」から造られています。そして、その造り方の違いで2種類に分類されています。この分類は「ホワイト(シルバー)」「ゴールド」「ダーク」といった熟成のさせ方の違いや、カラメル着色したりするなど蒸留した後の仕上げの違いではなく、「サトウキビ」の使い方の違いにあります。
ではどう違うかというと、まず原料の「サトウキビ」を絞ってジュースを取り出し、そのジュースを使って造る「ラム」があります。これを「アグリコールラム」といいます。「アグリコール」というのは農業生産品という意味だそうで、この場合ボトルに「アグリコール」と表記することが許されています。
そしてもう1つの造り方は、「サトウキビ」を絞ったジュースを精製のため煮詰めていくと結晶が出来て、これは砂糖になります。で、この砂糖になる部分を取り除いたものを「糖蜜」(どろどろした液体)といい、この「糖蜜」を使って造った「ラム」を「アンデュストリアルラム」といいます。「アンデュストリアル」は工業生産品という意味だそうです。これは砂糖工場で廃糖蜜が出るため、蒸留所を併設して造られた副産物だったようです。
そして現在一般に多く出回っているのは、この「アンデュストリアルラム」になります。「マイヤーズ」や「バカルディー」「レモンハート」等がそうですね。
また「アグリコールラム」はマルティニーク島産の物(Jバリー)などが多少出ているようですが、ちゃんとしたBARに行かれれば何種類か置いてあると思うので、行って飲み比べてみるのもいいでしょう。