あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 ブランデー2

先週お見え頂いたお客様にブランデーの事を聞かれました。
そこで以前にも簡単にブランデーの事は書きましたが、それ(昨年の3/17)に加えてもう少し説明したいと思います。
それはブランデーのラベル表記についてです。
ブランデーのラベルには皆さんもご存知だとは思いますが、殆どの商品で年数表記がされていません。
そして年数表記の変わりに「VSOP」とか「NAPOLEON」とか「XO」などと表記されているのです。
そしてイメージの世界なのでしょうが、「NAPOLEON」は高級などと思われているようです。
はたしてこれは本当なのか・・・?
そこでこの表記についてなのですが、この表記はブランデーの熟成年数を表す「コント」*1を使い、その「コント数」で決まっています。
まずブランデーとして世に出るには最低「コント2」以上でなければなりません。
そして殆どのブランデーが、長期熟成した原酒と比較的若い原酒をブレンドして造られるので、若い原酒の方の「コント数」で表記が決まります。
では、どういう風に決まっているのかというと、コント2以上で「☆☆☆(スリースター)」、コント4以上で「VSOP」、コント6以上で「XO」、「EXTRA」、「NAPOLEON」となっています。
えっ!じゃあ「NAPOLEON」と「XO」の違いはどうなっているの?と聞かれると、それはブランデーを造っている各メーカーごとに違うので、実はあるじにもよく分かりません。
そして表記としては同じ「NAPOLEON」だとしても、メーカー毎に使われている最低年数の「コント数」が違うことも充分にあるわけです。
で、先週のお客様にも聞かれたのですが、「どんなブランデーがいいの?」ということですが、これは嗜好品なので自分にあっているものを探せばいいと思います。
また、そのお客様は「コニャック」が好きという事でしたので、その場合参考としては、「グランド・シャンパーニュという表記がされているものをお薦めしています。
それはコニャック地方が、その土地の特徴から6つの地域に区分されていて、その区域内で製造されたブランデーは「コニャック」という名前のほかに、その区域名を名乗ることが許されているからです。
で、その区域とは、「グランド・シャンパーニュ」「プチット・シャンパーニュ」「ボルドリ」「ファン・ボア」「ボン・ボア」 「ボア・ゾルディネール」となり、その中で1番出来の良い区域が「グランド・シャンパーニュ」になるからです。
因みによく見かける有名メーカーの製品は「フィーヌ・シャンパーニュ」といって、「グランド・シャンパーニュ」の原酒50%以上と「プチット・シャンパーニュ」の原酒をブレンドしたものが多いようです。(もちろん違うものもありますが・・・。)
という事で、皆さんもたまにはブランデーを楽しんでみてください。

*1:ブランデーが仕込まれた時から数えるのではなく、4月1日から数えて翌年の3月31日を過ぎると「コント1」となり、以降1年ごとに「コント数」が増えていきます。