あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 「マッサン」効果じゃあるまいし・・・

barvirgo2015-02-25

今日本国内では「マッサン」の影響もあってかニッカのウヰスキーはもちろんサントリーウイスキーもよく売れて、品薄状態になっています。
まあそこまでは分かるのですが、まさかヨーロッパでもそんなに売れたの!っていうぐらいニッカのウヰスキーは昨年よく売れたようです。
ヨーロッパでニッカウヰスキーの代理店をしているフランスのLa Maison du Whisky(ラ・メゾン・デュ・ウイスキー)が発表した昨年のヨーロッパのでニッカウヰスキーの販売数量が、なんとヨーロッパで日本のウイスキーとしては初めての100万本を突破したそうです。
前年対比45%増だそうです。
一番売れているのはフランスで60万本超、それ以外にも英国、ドイツ、スウェーデン、ベルギー、イタリア、スイスなどでよく売れているそうです。
凄いですよね。
そして代理店のラ・メゾン・デュ・ウイスキーでは今年の目標として、150万本以上売るつもりのようです。
ニッカのウヰスキーが、日本のウイスキーがヨーロッパの方達に広まり、スコッチウイスキーより日本のウイスキーの方が美味しいと思ってもらえるのは凄く嬉しいので、沢山売れるというのはとても良い事ですよね。
但し、少しばかり問題もあります。
ニッカのウヰスキーが美味しいと思って世界中の沢山の方が飲むようになるのは良いのですが、ヨーロッパでのこれほどの急激な伸び、そして日本でも「マッサン」効果かニッカは前年比で約20%近く販売が伸びているそうです。
じゃあ伸びているなら沢山造って売りましょうと思っても、ウイスキーは造ったからといって直ぐには売れません。
最低3年は樽に入れて熟成させないといけないのです。
じゃあ3年経てば何とかなるのかというと3年でも実は駄目なのです。
ウイスキー好きの皆さんだと分かると思いますが、ウイスキーには年数表記したものが多く、しかもその多くは「10年」以上の年数が表記してあり、その年数というのがボトルの中に入っているウイスキーの最低熟成年数ですから、「10年」なら最低10年は樽で熟成させないと製品として市場には出ないわけです。
という事は、今現在のウイスキー需要を10年近く前に予想して出来たのか?という事が問題になり、残念ながら現在の需要は予想をはるかに上回り、メーカーにとっても嬉しい事なのでしょうが喜んでもいられないという状況のようです。
そして国内マーケットと海外マーケットを睨んでこれからどうする?と考えるならば、それはあるじでも将来を考えて海外マーケットを優先するのが当前だと思うのです。
なので、もしかするとニッカウヰスキーの幾つかの銘柄は品不足でなかなか飲めない事もあるかと思いますが、その際は他の銘柄を飲んで下さいますようお願いを申し上げます。

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