あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

包丁で

氷を切っています。あるじの店ではアイスピックを使うことは殆んどありません。かちわり氷を仕込むのも、ロック用の丸氷を仕込むのも、包丁(牛刀)を使っています。それはアイスピックで氷を割ると、どうしても氷がガタガタになってしまうからです。そしてガタガタの氷で角が多いということは、それだけ溶けやすくなってしまうので、カクテルを作るにしても水っぽいものが出来てしまうし、ロックで飲む場合も早く水っぽくなってしまうのです。なので、うちの店では包丁を使い、且つ仕込み置きをしてアイスストッカーに入れておくようにしています。こうすることで極力お酒が水っぽくなることを避けているのです。しかし欠点もあり、小さな店で氷の仕込める量にも限りがあるため、時々丸氷が無くなってしまったりします。そんな時にロックを注文されたお客様には、この場を借りてゴメンナサイ、です。
そうそう、氷の話でもう一つ、以前行った銀座のちょっと名の知れたBARでこんなことがありました。それは、水割りやロックにはちゃんとしたかちわり氷を使っていたのですが、カクテルを作るときにシェーカーの中に入れていた氷が、製氷機の氷でした。製氷機の氷は、かちわり氷にくらべ軟らかいので、シェーカーに入れてお酒といっしょに振れば、出来るカクテルは水っぽいものになってしまう筈にもかかわらずです。多分忙しいため、カクテルにまでかちわり氷を使ってはいられない、と判断してのことだと思われますが、ちょっとがっかりというかビックリした記憶があります。皆さんもBARに行くときはやっぱりカウンターに座って、バーテンダーがどうやってお酒を作っているのか見たほうがいいですよ。それになんといっても楽しいですしね。
それでは、あるじもお客様がどれだけお見えになってくれるか分かりませんが、頑張って店開けにいってきます。