あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 ジンの原料

たまにはお酒の話も書かないと、と思い、何を書こうかと考えて思い出したのが、時々お客様に聞かれる「ジンって何で出来てるの?」という声でした。
確かにジンは何々を原料にしています、なんて話はあまり聞きませんものね。
たとえばスコッチだと大麦が原料で、バーボンだと原料はトウモロコシで、ラムはサトウキビ、テキーラはサボテンだなんて話は聞きますよね。
但し、これらも間違いだらけではあるんですけどね。
スコッチはモルト(大麦)とグレーン(小麦)の原料に大別されますし、
バーボンも主原料はトウモロコシですが、そのほかにライ麦や大麦、場合によっては小麦も使ったりしていますしね。
また、いまだ多くの方が勘違いしているものにテキーラがあり、サボテンから出来ていると思っている方がいらっしゃるのですが、それは大きな間違いで、竜舌蘭から出来ています。
で、話をジンに戻しますが、ジンの原料もこれと決まっている訳ではなく、それは大麦だったりライ麦だったり、ジャガイモだったりするわけです。
しかしジンに大事なのは原料ではなく、その原料から造られたニュートラルスピリッツ(純度の高いアルコール)に後から加えられる副材(香料)なのです。
その香料は、ジュネパーベリーコリアンダーなどのボタニカル(植物の種子や実)と呼ばれるもので、このボタニカルの種類や香味付けの方法などが各メーカーの独特の手法になって、色んなジンが出来ているといってよいでしょう。
それと、以前も書いたかもしれませんが、オランダで生まれたジンがイギリスに渡った時にジュネパーが短くなってジンといわれる様になったそうです。
ま、要するにジンは原料より香味付けの副材が大事ということなのです。