あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 「GLEN」問題

最近インドの裁判所が地元の2つのウイスキー蒸留所(Glenmon Distillersと Imperial Distillers)に対し、 「GLEN」とラベルに入れること及び「GLEN」の文字の入ったラベルのウイスキーの販売の一時差し止めを命じたそうです。
これはスコットランドのSWA(スコッチウイスキー協会)の訴えを認め、「GLEN」の文字が入ると、それがスコッチウイスキーと消費者に誤解を与えると判断したからのようです。
因みに「GLEN」という言葉は、スコットランドのハイランド地方に多く住むゲール(ケルト)民族が使っていた言葉(ゲール語)の「Gleann」に由来していて、渓谷という意味を持っています。
そしてスコッチウイスキーの多くが蒸留所の在る場所をゲール語で表している為、「GLEN」と付いた蒸留所も多く、また当然その名を付けたスコッチウイスキーも 多くリリースされています。
なので、SWAからすると「GLEN」はスコッチウイスキーのみが使える特別な言葉だといって、それ以外のウイスキーが「GLEN」を使うと、それはスコッチじゃないから使うなといって裁判を起こすのです。
そして今回、インドの法廷では一時差し止めの仮処分が認められたわけですが、当然インドの2つの蒸留所も上告しているので、これからどうなるのかはまだ分からない状況です。
実際カナダにはGlenoraという蒸留所が在り、「Glen Breton(グレンブレトン)」というシングルモルトウイスキーをリリースしているのですが、やはりSWAに訴えられ、昨年7年間の法廷闘争の末SWAが負けGlenora側が勝ちましたからね。
てな訳で、果たしてインドでは最終的にどんな判決が下されるのか分かりませんが、どうなんでしょう?やはり「GLEN」が付いていたら皆さんスコッチウイスキーと間違えてしまうんでしょうかね?
ホント!難しい問題ですね。
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