あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 ハイランドパークでも

スコットランドウイスキー蒸留所としては最も北で、オークニー諸島のメインランド、カークウォールの街外れに在るハイランドパーク蒸留所。
世界的にも評価の高いシングルモルトウイスキーを造っていますし、全てではないのですが大麦のモルト化(フロアモルティング)も蒸留所内で行なっている拘りの蒸留所です。
しかし、そんな拘りの蒸留所でも、原料の大麦はスコットランド本土から取り寄せていて、オークニー産の大麦は  使っていなかったようです。
というか、オークニー諸島は北緯59度、北の痩せた大地で大麦の生育には決して向いた土地とは言えず、ウイスキー造りに適した大麦は生産出来なかったようです。(オークニーではベレバーレーという古代種の大麦が造られていますが、 ウイスキー造り適した品種とはいえないようです。)
が、アイラ島の蒸留所(ブルイックラディやキルホーマン)が島に拘り、島で育てた大麦のウイスキーをリリースしたように、ハイランドパークでもオークニーに拘り、オークニーで育てた大麦でウイスキーを造る為オークニーカレッジの農業研究所に協力してもらい、オークニーの気候でも造れるウイスキー造りに適した大麦を 見つけたそうです。
そして現在5軒の農家と契約し、約100トンの大麦をハイランドパークの為に生産して貰えるようになったそうです。
で現在、既にこの大麦は蒸留されたようで、樽に入れられ、これから12年間熟成されるそうです。
てな訳で、12年後には100%オークニー産のハイランドパークが世に出るそうなので、あるじは今から12年後が楽しみで仕方ありません。
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