あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 ベンリアック、グレンドロナック&グレングラッサ・セミナー(5)

barvirgo2013-11-06

先週セミナーで聞いて来た話も、後グレングラッサで終了です。
グレングラッサはスコットランド・ハイランド地方の北東部、ポートソイという街の近く海のすぐ近くにある蒸溜所です。
創業は1875年、1907年に1回目の閉鎖、1960年に再建されましたが1986年にまた閉鎖、その後2008年に再開となりましたが、今のところ稼動年数より休止していた年数の方が長い蒸溜所となっているそうです。
それで、2008年に蒸溜所を買収し再開させたのはロシアの投資家グループだったそうなのですが、今年の3月その投資家グループからベンリアックディスティラリーが買い取ったそうです。
で、蒸溜所を買い取った際、貯蔵庫には370〜400樽の1986年以前、最も古いものだと1963年の原酒が入った樽も付いてきたそうです。
そして蒸溜所は、今も1960年の再開時とほぼ同じ状態で操業しているそうです。
そして造りの特徴としては先ずマッシング(糖化)で、これは他の蒸溜所が行なうより時間を掛け1回につき5トンのモルトを10時間掛けて行なっているそうです。
こうする事でリッチなウイスキーに仕上がるそうです。
それともう1つの特徴が、ポットスティルの大きさで、多くの蒸溜所がウォッシュスティル(初溜釜)がスピリットスティル(再溜釜)より大きいところ、グレングラッサのスティルは両方同じ大きさの物を使用しているそうです。
それと醗酵に関しては、6槽のウォッシュバック(醗酵槽)があり、4槽がダグラスファー、2槽がステンレスで、醗酵時間は長いと100時間、平均でも90時間掛けて行なっているそうです。
そして蒸溜はフォアショットの時間が20分、ミドルカットでハートの部分を取る時間が最大2時間で、アルコール度数が60.5%になったらフェインツに切り替えるそうです。
後は現在所有する樽の数の話しになり、今は約7,000樽で貯蔵庫はセミナーではダンネージ式を使用しているとだけ言っていましたが、スライドにはラックも表記してあったので、ラック式もあるのかもしれませんね。
また熟成の樽種もワインやバーボン、シェリー等色々使用しているそうです。
まっ、およそこんなところがグレングラッサについて聞いて来た内容です。
因みにグレングラッサは凄く素敵な蒸溜所だと、何度か訪れた事があるお客様に聞いているので、今回聞いた話も踏まえ、何時か訪れたいなと思いました。

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