あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 シングルモルトウイスキー?

さ〜てシングルモルトウイスキー、あるじも今まで沢山紹介していましたが、どんなウイスキーか分かっていらっしゃらない方もまだまだ大勢いらっしゃるようです。
そんな中、アメリカではこれまたSWA(スコッチウイスキー協会)あたりが難癖つけそうなシングルモルトウイスキーを造ろうとしているマイクロディスティラー(小規模蒸溜業者)が登場し、ちょっと話題になっています。
それをシングルモルトウイスキーと呼んでよいのかどうか?ただアメリカではありだろうという方向のようなんですが・・・
それには先ずシングルモルトウイスキーがどんなウイスキーなのか分からないと話しにならないので先ず簡単に説明すると、1つの蒸溜所がモルトを原料に水と酵母以外は使わずに単式蒸溜器で蒸溜し、オーク材の樽で最低3年(アメリカは2年)熟成させた蒸留酒です。
1つの蒸溜所が造っている原酒であれば、他の樽で熟成させた原酒と混ぜてもこれはシングルモルトウイスキーと言います。
というか、幾つかの樽で熟成させた原酒を合わせないと、どの樽でも同じ様に熟成する訳ではないので、同じ味わいで常にリリースする事が出来ないのです。
また英国の法律では1つの蒸溜所がモルトと水と酵母だけで製造しても、連続式蒸溜機を使って蒸溜した場合はシングルモルトウイスキーとは認めておらず、グレーンウイスキー(穀物原料のウイスキー)に分類されてしまいます。
なのでニッカの「カフェモルト」はモルト100%ですが、英国ヨーロッパではグレーンウイスキーとして販売されています。
また原料がモルトと水と酵母だけ、且つ単式蒸溜器を使って出来たモルトウイスキーだとしても、複数の蒸溜所の原酒を混ぜてしまうとそれはシングルモルトではなくブレンデッドモルトウイスキーに分類されます。
あるじ的にはこのブレンデッドモルトという呼び方は好きではなく、以前使っていたヴァテッドモルトの方がしっくりくるのですが、法律で決まってしまったので仕方ありません。
話が逸れてしまいましたがシングルモルトウイスキー、簡単な説明ですが少しは理解頂けたでしょうか?
それ以外にも実は沢山の法律でシングルモルトウイスキーは定義づけられているのですが、とりあえずはこのぐらい覚えておいて頂ければOKかと思います。
という訳でまた長くなってしまったので、アメリカでちょっとした話題になっているシングルモルトの話はまた明日!
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