あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 サントリー白州蒸溜所見学 2014 −2−

barvirgo2014-06-04

さて、蒸溜所についての説明を聞き、そして見学をした後はテイスティングセミナーです。
サントリーにはセミナーのプログラムが幾つかあるのですが、今回はその中から「響17年」とその構成原酒のテイスティングを選び、ブレンデッドウイスキーというものについてもう少し興味を持ってもらおうというセミナーにしてもらいました。



という事で先ずはウイスキーとビール・焼酎の違いを説明して頂き、そしてウイスキーとはどんなお酒なのか、また「響17年」はブレンデッドウイスキーなのでブレンデッドウイスキーの簡単な歴史について話して頂きました。
それからサントリーウイスキー造りに対する理念、創業当時であれば日本人の手による日本人向けの本格的高品質のウイスキー造りであり、現在ならば日本の風土そして日本人ならではの世界品質のウイスキーを目指しているという事を伺いました。



それからブレンデッドウイスキーを造る為にはスコットランドのようにたくさんの蒸溜所が在る訳でもなく、また他社との原酒やり取りも無い日本では自社で多彩な原酒を造らなくてはいけないなんて話も伺いました。
なので山崎とは環境も水質も違う山梨県の白州にサントリー第2の蒸溜所を建てた事、そして山崎・白州とも形の異なるポットスティルを導入している事、また主にバーレル、ホッグスヘッド、パンチョン、シェリー、ミズナラという5種類の樽を使用するなどして、山崎蒸溜所であれば60種類、そして白州蒸溜所であれば40種類の原酒を造り分けしている事を伺いました。
モルトの基本種類だけで両蒸溜所合わせると100種類も造っているというのですからビックリです。
これで熟成が進むと同じ樽種でも違った味わいになったりするのですから、どれだけ原酒のレパートリーがあるのか計り知れませんね。



でこうした話を聞きながら「響17年」とその構成原酒のテイスティングミズナラ樽原酒はやっぱり美味しかったのと、シェリー樽原酒が加水して少し時間が経ってからの方が優しい味わいになって美味しく感じられたのは新たな発見でした。  (まっ、この辺は個人的嗜好ですけどね・・・)



そしてセミナーではブレンデッドウイスキーに使われるモルトウイスキーではないもう1つの大事な原酒、グレーンウイスキーについての説明、そしてテイスティングもありました。
サントリーではグレーンウイスキーも3種類(ヘビー、ミディアム、クリーン)造り分けしている事、そしてグレーンウイスキーが担う役割(ブレンデッドのベースであり、モルトの個性を引き出すウイスキー)を話して頂きました。



そして最後に改めてブレンデッドウイスキーとはどんなウイスキーなのか、サントリーのブレンデウイスキー造りとは、そしてサントリーウイスキー「響」とはどんなウイスキーなのか語って頂き、楽しいテイスティングセミナーが終了しました。
そしてあるじが思うのが、モルトウイスキーも確かに良いのだけれどグレーンウイスキーも、そしてブレンデッドウイスキーもそれぞれに違った味わい・個性を持った良いお酒だという事です。
なので皆さんも「響」をはじめブレンデッドウイスキー、改めて味わって飲んでみては如何?

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