あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 ウイスキーの樽 ―2―

barvirgo2014-11-25

昨日はウイスキーのイベントに行って来ました。
なんと!約3,000人もの来場者があったそうです。
ウイスキーのイベントに大勢の方が集まる。
嬉しい限りです。
っと、そんな事を思いつつ前回の樽の話の続きです。
前回はウイスキーの熟成樽にはオーク材でなくてはいけないという話と、主に使われているオークの種類、そして樽のサイズによる呼び名などを紹介しました。
で今回は、樽がどう使われているのかなど紹介したいと思います。
先ず樽は前回紹介したように、バーボン用にアメリカンホワイトオークで造らる樽が最も多いです。
それは、バーボンウイスキーが新樽しか使ってはいけないと法律で決められているからです。
樽を再利用して何度も使ってはいけないのです。
そこで1回バーボンの熟成に使われた樽は、スコットランドや日本、その他の国々でウイスキーやラム、テキーラを熟成させるのに使われます。
という訳で、スコッチウイスキーや日本のウイスキー、またその他の国のウイスキーには時々カスクタイプとしてバーボン樽と表記してあるのです。
これと同じ様にバーボンを中心とした北米のウイスキー以外は、シェリーの入っていた樽、ポートワインの入っていた樽などなど他のお酒に使われていた樽を使うのが殆どです。
もちろん新樽も使うのですが、その割合はまだまだ低いです。
なのでウイスキーによってはカスクタイプを表記して、どんな樽で熟成させたのか分かるようにしている物もあるのです。
またバーボンなどと違いスコッチウイスキーやその他の国のウイスキーは樽を何度か使ったりします。
そこで自分の蒸溜所のウイスキー原酒をその樽に初めて入れた場合、そこから払い出されるウイスキーをファーストフィルと呼んでいます。
そして自分の蒸溜所のウイスキー原酒を一度払い出した2回目以降をリフィルといい、まっ2回目ならセカンドフィル、3回目ならサードフィルと呼んでいます。
それと樽の使い方としては上記以外にも、カスクフィニッシュ、ダブルマチュアードといった原酒の詰め替えを行なったりする事もあります。
例えば最初バーボンの樽で熟成させていた原酒を、その後シェリーの樽で熟成させるといった手法です。
これは1つの樽種からだけでは得られない熟成感を求めて行なう事が多いようです。
そして実際に皆さんが飲まれるウイスキーというのは今まで書いて来たような色んな材やサイズ、履歴の樽で熟成させた原酒を組み合わせ、オフィシャルと呼ばれるウイスキーであれば、何時も同じ味わいになるようボトリングされリリースされているのです。
でここまで書いた事がウイスキーの樽について全てかというとそんな事は全く無く、ここまで書いてきた事は実はごく一部なのです。
とはいえ最近のウイスキーのボトルを見ると樽の情報を書いている物がちらほらあるので、その際これらの事を知っておくと実はある程度ウイスキーの味わいについて知る事が出来、覚えておくと良いのかなと思います。

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