あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 ウイスキーの樽 ―1―

barvirgo2014-11-23

先日ご来店になられたお客様が、最近「Pen」という雑誌を読んでウイスキーを今までより興味を持つようになり、そして読んでいて樽について分からない事があるので聞きたいと仰っていたのでお話させて頂きましたが、皆さんの中にもまだまだ樽について知らない方もいらっしゃると思うので、なるべく簡単に説明させて頂きたいと思います。
先ずウイスキーの熟成樽はオーク材と決められています。
オークというはブナ科コナラ属の植物の総称でナラとか樫の木などがあります。
因みにスコッチウイスキーレギュレーションには「that has been matured only in oak casks of a capacity not exceeding 700 litres.」と書いてあり、オーク材で且つ700リッターを超えてはいけないと書いてあります。
ウイスキーの熟成には樽材も決められていますが樽のサイズにも決めがあるのです。
という事で先ずオークですが、主に使われている材に下記の物があります。

  • アメリカンホワイトオーク : 一番多く使われている材です。
  • スパニッシュオーク : ヨーロピアンオークとも呼ばれています。
  • セシルオーク : フレンチオークとも呼ばれています。
  • ミズナラ:海外ではジャパニーズオークとも呼ばれています。
  • スウェディッシュオーク : 主にスウェーデンの蒸溜所で使われています。

最近は樽不足なのでおそらく上記以外のオーク材で造られた樽もあるかとは思いますが、現在市場で見られるのは大体上記の樽で熟成させたウイスキーです。
そして樽にはサイズがあります。
レギュレーションにあるように700リッター以下で、それぞれサイズごとに名前が付けられています。
という事で次はサイズとその呼称です。

  • (シェリー)バット : 約500リッターのシェリー酒を入れていた樽
  • パンチョン : 約500リッターのアメリカンホワイトオークで出来た樽
  • ホッグスヘッド : 約250リッターの樽、基本は元バーボン樽
  • (バーボン)バレル : アメリカンホワイトオークで造られた約200リッターの樽でバーボン熟成に使われた物
  • ポートパイプ : 約650リッターのポートワインを入れていた樽、主にヨーロピアンオーク
  • マデイラドラム : 約650リッターのマデイラワインを入れていた樽、主にフレンチオーク
  • クォーターカスク : 約125リッターの樽

その他にオクタブ(約50リッター)とかランドレッツ(約65リッター)、キルダキンズ(約80リッター)といった昔運搬用に使った古いタイプの樽も最近はまた使われるようになって来ました。
そして上記以外にもサイズとは別にラムに使われた樽、ワインに使われた樽、ブランデーに使われた樽、はたまた他のスコッチに使われた樽、エールビールに使われた樽など色んなオーク材で出来た樽がウイスキーの熟成には使われています。
という訳で、簡単にとは思うのですが長くなってしまうので、樽の使い方なども次に少し紹介したいと思います。

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