あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 ボウモア・セミナー 2018 〜1〜

barvirgo2018-05-22

さて、日本で今日からスコットランドアイラ島シングルモルトウイスキーボウモア」の新商品「ボウモア ナンバーワン」が発売になります。
という事もあって先週ボウモア蒸溜所の現マネージャー、ディヴィッド・ターナー氏が来日されてボウモアセミナーが開催されました。
あるじがボウモアセミナーに参加したのは約4年ぶり、2年前は蒸溜所にも訪れていますが何かまた新たな発見でも出来ればと思い参加して来ました。
それでセミナーが始まる前にプロモーション用の動画が流れていて、あるじが今まで見た事のない新しい動画だと思っていたらこの動画、2012年にあるじがちょうどボウモア蒸溜所を訪れていた日に公開されていたもので、日本に居ない分チェック出来ていない時の動画で既に6年前のものでした。
とはいえ素敵なプロモーション動画なので是非皆さんもご覧になってみて下さい。
 
で、この動画を見た後でセミナー開始、先ずは現在のウイスキー市況など簡単に説明があり、その後蒸溜所マネージャーマネージャー、ディヴィッド・ターナー氏の自己紹介、それから簡単な歴史そして造りについて教えて頂きました。
なのでここではボウモアの造りについてセミナーで撮った写真とともに簡単に説明させて頂きます。
先ずウイスキー造り、ボウモアモルトウイスキー蒸溜所なので原料の大麦を発芽させモルト(発芽大麦)にさせる工程から行なっています。
この大麦を発芽させる作業を製麦というのですが、かなり大変な作業で現在自社で行なっている蒸溜所は非常に少なくスコットランドでもあるじが知る限りボウモア含め7蒸溜所(ボウモアラフロイグ、キルホーマン、スプリングバンク、ハイランドパーク、バルヴェニー、ベンリアック)のみとなっています。
しかも100%自社製麦を行なっているのはスプリングバンク蒸溜所のみ、ボウモア蒸溜所では毎週42トンも製麦行なっているそうですが、それでも自社製麦は33.5%程度なのだそうです。
まあボウモアシングルモルトウイスキー、どれだけ仕込んでいるんだ?って感じです。
因みに製麦にはスティーピング(浸麦)、モルティング(発芽)、キルニング(乾燥)という工程があり最も大変なのがモルティングで、ボウモアでは昔ながらの伝統的なフロアモルティングを行なっていて季節によって時間は変わるそうですが1回につき5〜7日掛けて行なっているそうです。
しかもモルティング中はだいたい4時間毎に全体が均等に発芽するよう攪拌作業を行なっているそうです。
まああるじもほんのちょっとまね事程度にモルティング作業をさせて頂きましたが凄く大変、ほぼ毎日のように4時間毎に行なうなんて本当に偉いなと感心します。
そして大麦が充分発芽したら次はキルニングです。

ボウモア蒸溜所ではガスを使った温風乾燥とピートを使った乾燥の併用で、トータルの時間としては約60時間、ピートを焚くのが約18時間で、これによりフェノール値をだいたい25〜30ppmとしているそうです。
そして乾燥を終えたらミリング(粉砕)、これはその他多くの蒸溜所と同じく粉砕比率は2(ハスク):7(グリッツまたはミドル):1(フラワー)だそうです。
で、モルトを粉砕したら次はマッシング(糖化工程)です。

今回のセミナーではマッシングのお湯について2回目の投入までの説明しかありませんでしたが、蒸溜所を訪れた時の説明では3回目は100℃のお湯を投入すると説明していました。
まあ但し3回目は糖化した麦汁としては使わないので、今回は2回目までのお湯についてしか説明しなかったのかもしれませんね。
という訳でマッシング、1回につき8トンのグリスト(粉砕麦芽)をマッシュタン(糖化槽)に投入し1回目のお湯が63.5度で27,000リットル、そして2回目が85.0度で13,000リットル使用しているそうです。
で、ここまででだいぶ長くなってしまったので次のファーメンテーション(醗酵工程)以降はまた後日
にほんブログ村 酒ブログ 洋酒へ
にほんブログ村